【VPNが遅い原因と10の対策】すぐできる速度改善方法を解説【2025年最新版】

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テレワークや海外コンテンツの利用、セキュリティ強化など、様々な場面で活用されるVPN。非常に便利なツールですが、「VPNに接続するとインターネットが遅くなる…」と感じている方も多いのではないでしょうか? せっかくVPNを導入したのに、速度が遅くてはストレスが溜まってしまいますよね。

この記事では、VPNの速度が低下してしまう主な原因を分かりやすく解説し、具体的な対策方法をステップごとにご紹介します。サーバー選びのコツから設定の見直し、さらには根本的な解決策まで、あなたのVPN環境を快適にするためのヒントが満載です。

この記事を読めば、VPNが遅い原因を特定し、ご自身の状況に合った効果的な対策を実行できるようになります。速度のボトルネックを解消し、快適なインターネット利用を取り戻しましょう。
» VPNとは?インターネットを安全に使用する方法を解説

もしかして、あなたも?VPNが「遅い」と感じる瞬間

海凪
海凪

VPNを使っていてこんな経験はありませんか?

  • 高画質の動画ストリーミングが途中で止まる、画質が粗くなる
  • オンラインゲームでラグ(遅延)が発生して、まともにプレイできない
  • Webサイトの読み込みに普段より時間がかかる
  • テレワーク中のビデオ会議で音声や映像が途切れる
  • サイズの大きいファイルの送受信に時間がかかりすぎる

これらは、VPN利用時に多くの人が経験する「速度低下」のサインです。

そもそもVPNは、インターネット接続を暗号化し、VPNサーバーを経由して通信を行う仕組みです。この「暗号化処理」と「サーバー経由」というプロセスがあるため、VPNを使用しない直接接続と比べると、原理的にある程度の速度低下は避けられません。

しかし、その低下度合いが著しく、「使い物にならない」と感じるほど遅い場合は、何かしらの原因が潜んでいる可能性が高いです。次の章で、考えられる原因をチェックしていきましょう。

2. 【原因診断】あなたのVPNはなぜ遅い?チェックすべき5つのポイント

VPNの速度低下には、様々な要因が考えられます。まずは、ご自身の状況がどれに当てはまるか確認してみましょう。

《Point 1》VPNサーバーとの「距離」は? 近い国を選んでる?

インターネットのデータ通信は、物理的な距離が遠くなるほど時間がかかります。VPNサーバーがあなたがいる場所から遠い国にある場合、データが長い距離を往復する必要があるため、速度は遅くなります。

チェックポイント

海外のコンテンツを見るためにその国のサーバーを選んでいる場合でも、より近い場所(例えば、日本国内や近隣アジア諸国)のサーバーに接続すると速度が改善するか試してみましょう。

《Point 2》サーバーの「混雑」状況は? 人気サーバーに集中しがち?

1つのVPNサーバーに同時に接続するユーザー数が多すぎると、回線が混雑し、一人ひとりの通信速度は低下します。特に、無料VPNや、多くの人が利用する主要国のサーバー(アメリカ、日本など)は混雑しやすい傾向があります。

チェックポイント

VPNアプリによっては、サーバーの負荷率(混雑度)が表示される場合があります。負荷率が低いサーバーを選んでみましょう。表示がない場合は、いくつかのサーバーを試して速度を比較してみるのが有効です。

《Point 3》セキュリティレベルは? 強力すぎる「暗号化」が原因かも?

VPNの根幹である「暗号化」。セキュリティレベルが高い(=暗号化が強力)ほど、データの処理に時間がかかり、速度低下の要因となることがあります。

チェックポイント

VPNサービスや選択するプロトコルによっては、暗号化のレベルを調整できる場合があります。ただし、セキュリティレベルを下げることはリスクも伴うため、慎重な判断が必要です。後述する「プロトコル変更」の方が安全かつ効果的な場合が多いです。

《Point 4》そもそも元の回線速度は? 「インターネット環境」の限界?

VPNは、あなたが利用している元のインターネット回線(光回線、モバイルWi-Fi、スマホのテザリングなど)を通じて通信します。そのため、元の回線速度が遅ければ、どんなに高性能なVPNを使っても速度は上がりません。

チェックポイント

VPN接続を切断した状態で、インターネットの速度測定サイト(Fast.comSpeedtest.netなど)を利用し、ご自身の回線速度を確認してみましょう。もし元の速度が極端に遅い場合は、VPN以前の問題かもしれません。

《Point 5》使っている「プロトコル」は最適? 設定を見直せる?

VPN接続には、「プロトコル」と呼ばれる通信規格が使われています。プロトコルにはいくつかの種類があり、それぞれセキュリティ強度や通信速度に特徴があります。古い規格や、お使いの環境に合っていないプロトコルを使用していると、速度が出にくい場合があります。

チェックポイント

VPNアプリの設定画面で、利用するプロトコルを選択できるか確認してみましょう。一般的に、WireGuardIKEv2/IPsecは比較的高速で、OpenVPNは安定性が高いが速度面ではやや劣ると言われています。(※サービスによって利用できるプロトコルは異なります)

3. 【即効性アリ】まずは試したい!お手軽VPN速度アップ術

原因の見当がついたら、次は具体的な対策を試してみましょう。ここでは、比較的簡単で、すぐに効果が出る可能性のある方法をご紹介します。

対策①:【サーバー変更】より近く、空いているサーバーを探すコツ

原因診断のPoint 1、Point 2でも触れましたが、サーバー選びは速度改善の基本です。

  • 近くのサーバーを選ぶ: 物理的な距離が近いサーバーを選択します。日本国内にいるなら、日本のサーバーが第一候補です。
  • 空いているサーバーを選ぶ: VPNアプリに負荷率やPing値(応答速度、低いほど良い)が表示されていれば、それを参考に負荷が低くPing値の良いサーバーを選びます。表示がない場合は、都市名だけでなく、同じ国内の別地域のサーバーや、サーバー番号が異なるものを試してみましょう。
  • 目的地の近くを選ぶ(海外利用時): 海外のサービスを利用したい場合でも、必ずしもその国である必要はありません。近隣国や、そのサービスが快適に使える範囲で最も近いサーバーを探してみましょう。

対策②:【プロトコル変更】WireGuardなど高速な規格を試す

多くのVPNサービスでは、複数のプロトコルを選択できます。設定画面を確認し、変更してみましょう。

  • おすすめプロトコル:
    • WireGuard: 比較的新しく、高速かつ安全性が高いとされる人気のプロトコルです。対応していれば、まず試してみる価値があります。
    • IKEv2/IPsec: モバイルデバイスとの相性が良く、接続が安定しており、速度も比較的速い傾向があります。
    • OpenVPN (UDP): 安定性と互換性に優れます。TCPとUDPを選べる場合、一般的にUDPの方が高速です。
  • 変更方法: VPNアプリの設定メニュー内にある「プロトコル」や「接続方式」といった項目から変更できます。変更後は、速度が改善されたか確認しましょう。

対策③:【再起動】VPNアプリ、デバイス、ルーターをリフレッシュ

一時的な不具合やメモリの逼迫が原因で速度が低下している場合、再起動で解消することがあります。古典的な方法ですが、意外と効果的な場合があります。

  • 手順:
    1. VPNアプリを完全に終了させる。
    2. PCやスマートフォンなどのデバイスを再起動する。
    3. 可能であれば、ルーターの電源を抜き、数分待ってから再度電源を入れる。
    4. デバイスが起動したら、再度VPNに接続してみる。

対策④:【接続方法】Wi-Fiから有線LANに変えてみる

Wi-Fi接続は、電波状況や他の機器との干渉によって不安定になりがちです。もし可能であれば、PCなどをLANケーブルでルーターに直接接続(有線接続)してみましょう。有線接続は一般的にWi-Fiよりも安定しており、高速な通信が期待できます。

対策⑤:【バックグラウンド通信停止】不要なアプリや同期をオフ

VPN接続中に、バックグラウンドで他のアプリが大量のデータ通信を行っていると、VPNの通信速度に影響が出ることがあります。

  • 確認・停止方法:
    • PC: タスクマネージャー(Windows)やアクティビティモニタ(Mac)で、ネットワーク通信量が多いプロセスを確認し、不要であれば終了させる。
    • スマホ: 使っていないアプリを終了させる。クラウドストレージの自動同期や、アプリの自動アップデートなどを一時的にオフにする。

4. 【もう一歩踏み込む】環境を見直して根本改善へ

お手軽対策を試しても改善が見られない場合、もう少し踏み込んだ対策や、環境の見直しが必要かもしれません。

対策⑥:【暗号化レベル調整】セキュリティとのバランスを見極める

VPNサービスや使用するプロトコルによっては(例えばOpenVPNの一部実装などで)、暗号化の強度(例:AES-256bit、AES-128bit)を選択できる場合があります。理論上、暗号化レベルを下げると処理負荷が減り、速度が向上する可能性はありますが、実際に選択できるかはサービスによりますし、効果も限定的な場合があります。

重要な注意点

暗号化レベルを下げることは、直接的にセキュリティ強度を低下させる行為です。速度改善を期待するよりも、まずは他の対策(特にプロトコル変更やサーバー変更)を試すことを強く推奨します。もし調整を行う場合は、そのリスクを十分に理解し、自己責任で行ってください。

対策⑦:【デバイス最適化】PCやスマホの不要な負荷を減らす

お使いのデバイス自体の動作が重いと、VPNを含むあらゆるアプリケーションの動作に影響します。

  • 試せること:
    • 不要なファイルやアプリケーションを削除する。
    • ディスククリーンアップやメモリ解放ツールを使用する。
    • OSやVPNアプリを最新バージョンにアップデートする。
    • セキュリティソフトの設定を見直し、VPN通信を過度にチェックしていないか確認する。

対策⑧:【ルーター設定確認】最新ファームウェアか、設定は適切か

ルーターが古い、ファームウェアが更新されていない、設定が最適でないといった場合も、通信速度に影響を与える可能性があります。

  • 確認ポイント:
    • ファームウェア: ルーターのメーカーサイトを確認し、最新のファームウェアにアップデートする。
    • QoS設定: ルーターによっては、特定の通信を優先するQoS(Quality of Service)機能があります。設定が意図せずVPN通信を制限していないか確認します。
    • IPv6設定の確認: ご利用のインターネット環境やルーター、VPNクライアントのIPv6実装との相性によっては、IPv6通信がVPN接続の安定性や速度に影響を与えるケースが報告されています。もし問題が疑われる場合、トラブルシューティングの一環としてルーター側でIPv6機能を一時的に無効化してみる、あるいはVPNアプリ側の設定(IPv6漏洩防止機能など)を確認してみる価値はありますが、根本的な解決策とは限りません。(※IPv6は将来の標準的な通信方式であり、無効化が推奨されるわけではありません。)
    • ルーターの性能: 古いルーターの場合、最新の通信速度に対応できていない可能性もあります。買い替えも検討しましょう。

対策⑨:【回線見直し】プロバイダーやプラン変更を検討する

原因診断のPoint 4で触れたように、元のインターネット回線速度がボトルネックになっている場合は、VPN側でいくら工夫しても限界があります。

  • 検討事項:
    • 現在の契約プランより高速なプランに変更する。
    • より速度に定評のあるインターネットプロバイダーへの乗り換えを検討する。(特にマンションタイプなどで回線を共有している場合、混雑の影響を受けやすいことがあります)
    • モバイル回線を利用している場合は、電波状況の良い場所に移動する、または光回線などの固定回線の導入を検討する。

5. VPNサービス自体が遅い場合は乗り換えも視野に【対策⑩】

ここまで様々な原因と対策を見てきましたが、VPNが遅い最大の理由が、実は利用しているVPNサービスそのものにあるというケースは少なくありません。

サーバー変更、プロトコル変更、デバイスや回線の見直し…あらゆる対策を試しても速度が改善しない場合、そのVPNサービスのインフラ(サーバーの性能、回線帯域、混雑対策など)に限界がある可能性が高いです。

特に以下のような場合は、VPNサービスの見直しを強く検討すべきかもしれません。

  • 無料VPNを利用している: 無料VPNはコストがかからない反面、サーバー数が限られていたり、意図的に速度制限がかけられていたり、多くのユーザーで帯域を共有していたりするため、速度が出にくいことが一般的です。
  • 特定の国が苦手なVPNを利用している: 優良なVPNサービスの中にも、あなたが使用している接続先の国・地域ではサーバー品質やサポート体制が十分でなく、速度が安定しないものがあります。その場合はお目当ての接続先が得意なVPNサービスをリサーチ、選択する必要があります。
  • どのサーバーに繋いでも、どの時間帯でも遅い: 特定のサーバーや時間帯だけでなく、常に速度が遅いと感じる場合は、サービス全体の品質に問題がある可能性があります。

もちろん、有料のVPNサービスであっても、プロバイダーによって速度には大きな差があります。「サーバー数が多い」「最新プロトコルに対応している」といった点を謳っていても、実際の速度はインフラ投資や運用状況に左右されます。

もし現在のVPNサービスで速度改善が見込めないと感じたら、思い切って他のVPNサービスへの乗り換えを検討するのが、最も効果的かつ最終的な解決策となる場合があります。

「でも、どのVPNサービスが良いのか分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。 速度や安定性に定評のあるVPNサービスを比較検討したい方は、ぜひこちらの「VPNおすすめ比較ランキング」の記事も参考にしてみてください。

海凪
海凪

多くの有料VPNには返金保証期間が設けられているため、実際にいくつか試してみて、ご自身の環境で最も快適に使えるサービスを見つけることをお勧めします。

各VPNサービス速度実測値一覧(Tokyoサーバー)
VPNサービスDownload
(Mbps)
Upload
(Mbps)
PING
(ms)
JITTER
(ms)
NordVPN411.02160.811125.29
ミレンVPN413.4151.981319.33
SurfsharkVPN330.6154.621527.21
PIA VPN315.82178.52111.11
PureVPN117.63219.7212.50.76
CyberGhostVPN268.5141.1712126.95
ExpressVPN10.7280.661311.75
GlocalVPN3.6521.9314127.15
スイカVPN18.1919.2332199.29
セカイVPN10.0711.184561.59
VPNなし328.3277.4810.11.61
Tokyoサーバー USEN スピードテスト 2025年2月26日調べ

6. VPNと接続速度改善に関するよくある質問

VPN接続に関するよくある質問をまとめました。

Q
VPN接続すると動画がカクカクします。よくあることですか?
A

ある程度の速度低下は原理的に避けられませんが、頻繁に途切れる場合は改善の余地があります。

Q
VPNの速度が遅いと感じたら、まず何を試すべきですか?
A

まず接続自体が通常通りできているか、またVPNを解除したら速度が改善するかを確認してください。

Q
VPNのプロトコルとは何ですか?速度に関係ありますか?
A

VPN接続の通信規格です。WireGuardなど、高速なプロトコルを選ぶと速度が改善する場合があります。

Q
インターネット回線が遅い場合、VPNの速度も遅くなりますか?
A

はい、VPNは元の回線速度に依存するため、回線速度が遅いとVPNも遅くなります。

Q
VPNアプリやデバイスを再起動すると速度が改善することがありますか?
A

一時的な不具合が原因であれば、再起動で改善する可能性があります。

Q
Wi-Fi接続よりも有線LAN接続の方がVPNの速度は安定しますか?
A

一般的に、有線LAN接続の方が電波干渉を受けにくく、安定した高速通信が期待できます。

Q
VPNの暗号化レベルが高いと速度が遅くなることがありますか?
A

はい、暗号化処理に時間がかかるため、速度低下の要因となることがあります。ただし、セキュリティとのバランスが重要です。

Q
無料のVPNは有料のVPNと比べて速度が遅い傾向がありますか?
A

一般的に、無料VPNはサーバーや帯域幅に制限があるため、速度が出にくいことが多いです。

Q
VPNサービスを選ぶ際、速度を重視するならどんな点に注目すべきですか?
A

サーバー数、設置国、対応プロトコル、そして速度に関する評判などを確認しましょう。

Q
色々な対策を試してもVPNの速度が改善しない場合、どうすれば良いですか?
A

利用しているVPNサービス自体に問題がある可能性があるので、他のサービスへの乗り換えを検討してみましょう。

海凪
海凪

VPN接続がうまくいかないときの参考にしてください!

まとめ:諦めるのは早い!原因に合った対策でVPN速度を取り戻そう

VPNの速度低下は、イライラする問題ですが、多くの場合、原因を特定し、適切な対策を行うことで改善が見込めます。

まずは、今回ご紹介した「お手軽VPN速度アップ術」(サーバー変更、プロトコル変更、再起動など)から試してみてください。これだけで、驚くほど速度が改善されることも少なくありません。

それでも満足のいく速度が出ない場合は、「環境を見直して根本改善へ」のステップ(デバイス最適化、ルーター設定、回線見直しなど)を試しましょう。

あらゆる対策を講じても改善が見られない場合は、「VPNサービス自体の乗り換え」も非常に有効な選択肢です。元のサービスに原因がある可能性を念頭に置き、より高速で安定したサービスへの移行を検討してみてください。

VPNの速度は、様々な要因が複雑に絡み合って決まります。「これだ!」という原因を特定するのは難しい場合もありますが、一つひとつ可能性のある対策を試していくことが、快適なVPN環境への近道です。

海凪
海凪

諦めずに原因を探り、最適な対策を見つけて、ストレスフリーで安全なインターネット接続を実現してくださいね!

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