海外留学生活をしていると様々な問題に直面します。積み重なる・長期になるにつれて大きなストレスになることもあります。そんな時慣れ親しんだエンターテイメントは心の支えになります。近年はインターネットで安価にサービスを楽しめるのでとてもいい時代になりました。
一人暮らしの時も家族連れの時もネットの動画サービスにはとても助けられていました!
しかしこれらのサービスには思わぬ「障壁」があり、VPNなしではその「障壁」は越えられません!
そこでこの記事では海外生活で必須となる「VPNとは何か?」および「もし使用するならどのVPNが良いか?」を海凪の考える主要7サービスを中心に比較解説しています。
結論としては海凪は「Nord VPN」を最もおすすめします!
しかし以下の場合は別のサービスもおすすめです。
- お手軽に短期間だけ安く使いたい:セカイVPN
- 完全日本語対応で長期間安くハイスペックなものを使いたい:ミレンVPN
- 日本語の動画サービスに特化して短期間だけ安く使いたい:GlocalVPN
- とにかく長期間安くハイスペックなものを使いたい:Surfshark VPN
- なるべく多くの国の情報収集を安全に行いたい:Express VPN
- 中国でVPNを利用したい:スイカVPN
その理由についてこの記事で解説していきます。
自分の好みに合ったVPNを利用して海外留学生活を楽しみましょう!
VPNとは?:海外生活をした時の思わぬ障壁を突破!
VPN(Virtual Private Network)とはそもそもは疑似的に確立された専用通信経路(詳しく知りたい方はこちらをご参照ください)のことですが、このサービスを使用する最大のメリットはネットにある「国境」を合法的に突破できることです。
制約のある国際間ネット通信もVPNサービスによる当該国のアクセスポイントを経由することで擬似的に国内からアクセスしているとウェブサイトやサービスに伝えることができます。
VPNには主に5つの使い道があります。上手に選べばコストもかなり低額です。
VPNなしで海外生活を過ごすのはもったいないですよ!
VPNの使い道その1:日本/対象地域外のオンラインエンタメが利用可能に
Prime Video, Netflix, Disney+…さまざまなオンライン動画視聴サービスがありますが、全てアクセス元の地域によりサービス内容が決まっています。これは番組との契約/権利関係の制約で「国ごとに区切って」サービスを提供しているからです。
そのため通常の接続方法では日本からは海外のサービスは視聴できませんし海外からは日本のサービスは楽しめません。国だけでなく地域の制約を受けることもあります。例えばアメリカのMLB.TVはホームチームの近くの地域からのアクセスではそのチームの試合を視聴できません。
しかしVPNを使えば他の地域や国からアクセスしていると見せかけることができます。本来は日本国内でしか視聴できないサービスを国外から利用できますし、その逆もしかりです。
海外居住する人の多くは「日本成分」が恋しくなります。しかし前述のように海外では日本のサービスを利用することに大きな制限があります。VPNを活用したネット動画配信サービスの利用はホームシックを緩和する大きな手段の一つになるでしょう。
反対に日本国内で海外の映画・ドラマを見たい方もVPNを使用することで海外の作品にいち早くアクセスできます。作品とサービスの種類によりますが日本語字幕を用意している番組もあります。
VPNの使い道その2:子育ての強い味方
まず大前提として動画の長時間使用や動画を見せたまま放っておくのは教育上とてもよくありません。
しかしそうはいっても子育て/家事/仕事を両立するときに動画視聴サービスは欠かせないものになっています。さらに海外の日本人が少ない環境では日本語に触れる機会が限られます。日本国内の動画視聴サービスは子どもの日本語の維持・教育にも不可欠な存在です。
NHKプラス・Amazon・Netflix・Disney+などの主要媒体はこどもの視聴・教育番組にもかなり力を入れています。日本向けの作品で英語で配信されているものも多いので英語教育の補助にもなり一石二鳥です!
VPNの使い道その3:国外のアプリのダウンロードやWebサイト閲覧
盲点になりがちなのがこの点です!
一部の各国国内向けウェブサイト(政府や大学など公的機関のホームページ)ではセキュリティの観点からアクセスを自国内に限定しており日本からアクセスできません。準備や情報収集のために当該サイトを閲覧したい場合はVPNを使用することで日本国内から可能になります。
アプリのダウンロードや更新にその地域からのアクセスが必要な場合にもVPNが効力を発揮します。
留学前準備や留学終了後に現地のWebサイトへのアクセスや現地のアプリをダウンロード・更新が必要になった場合に日本国内からVPNを使用することでこの恩恵を受けることができます。
VPNの使い道その4:セキュリティ対策
ネットの世界には様々な危険があります。
特に最近は日本でも海外でも公共/商用施設の無料Wi-Fiが多数ありますがトラッキング・ハッキング・データ漏洩のリスクが常に付きまといます。VPNを使えば全て解決!…とはいえませんが、VPNは確実にリスクを軽減してくれます。
他にも職場のWi-Fiを使っている場合に効果を発揮することがあります。アクセス制限をしている施設や、制限はなくても使用状況の追跡をして目的外のアクセスが目立つとペナルティ・注意を受ける施設などがあります。VPNを使用すればその制約が取れる可能性があります(保証はしませんので自己責任でお願いします)。
VPNの使い道その5:裏技的節約術
VPNを使えば価格が安い国からのアクセスを装い、安くサービスを契約できます。対象のサービスは例えばYoutube premium・Netflix・航空券・宿泊予約などがあります。
VPNサービスを使うと節約になる理由
オンラインのサービスは国を問わず展開することが当たり前になっています。しかしサービスは同じでも各国の経済事情はまちまちであり、同じ価格で提供すると途上国に合わせると先進国では安すぎますし、先進国に合わせると途上国には高すぎます。
それに加えて国の通貨や為替手数料も様々ですので結果としてある国からのアクセスではその国の通貨で独自の価格を設定し販売することが最も効率よく販売と回収を行うことができるわけです。
そのためにはオンラインのアクセスを「どの国からサービスを利用しているか」判断しなくてはなりません。そうです。ここで前述のIPアドレスが使われるわけです。
VPNサービスで発展途上国からのアクセスとしてサービスを契約することで安くネットのサービスを利用できるというわけです。
合法とは言えグレーな方法であることは間違いなく、積極的に勧めるものではありませんが…。
VPNの注意点:速度が低下する可能性・使用不可能な環境がある
通信を1つ余分に仲介しているため通信速度が若干落ちる場合があります。通信が不安定な時・同時並行/大容量で通信が行われている時に遅延が認められることがあります。
また通信環境によってはVPNの使用自体を不可能な設定が施されていることがあります。
遅延の頻度や程度はサービス次第ですので選ぶ時の重要なポイントの一つです!
VPNのサービスは多数:主要な7サービスを知れば十分!
VPNは日本では知名度が低いですが、海外居住者には大きな需要がありますので全世界的にVPNサービスを提供している会社は多数あります。選択肢が多いのは悪いことではないですが、どれを選べばいいのかわからないのでは困りますね。
サービスによって価格もまちまちですし、通信速度、インターフェースや各デバイスに対するサービス内容などがそれぞれ異なります。その中でも一番大きいのが業者によってどの程度各種サービスが国外から視聴可能になるかが異なるという点です。
しかし心配はいりません。以下の主要7サービスの記事を読めば迷う余地はありません!
まずは7サービスを表で比較:自分に合ったサービス選択を
まずは主要7サービスの特徴を一覧でお示しします。気になったサービスだけ見てみるのもありですね。
この7サービスを以下で個別に解説していきます!
無料のVPN:まずはVPNを体感!
1. VPN Gate:筑波大学初の無料VPNサービス
海凪が最初に試したのがVPN Gateです。筑波大学のプロジェクトにより、2013年から無料でVPNサービスを提供しています。これにより多くの日本国外向け媒体にアクセスできます。例えばアメリカ政府や州政府が管轄するホームページ(.gov)などはこちらで見えるはずです。
無料なだけでなく登録なども不要で制約が一切ありませんので、まずはVPNとはどんなものかを試してみる・情報収集や学術目的で各国内のみ可能なページへのアクセスを試みるには良いVPNサービスです。
しかし残念ながらPrime video, Youtubeなどの商用のページに関しては成功率がかなり低かったです。なので商用のサービス目的でVPNを使用される場合には基本的にお勧めできません。
日本発のVPNサービス:セカイVPN・ミレンVPN・GlocalVPN
日本発のサービスを利用する最大のメリットはすべて日本語で対応可能という点です。細かい問い合わせやトラブルシューティングにストレスを感じる必要はありません。
一方で競争相手が日本に限られるため、規模や質の点で後塵を拝しやすいとも言えます。主要な日本発のVPNサービスである「セカイVPN」・「ミレンVPN」・「GlocalVPN」を解説します。
2. セカイVPN:短期契約に強い!日本の老舗VPN
海凪がアメリカに来て最初に契約したのがセカイVPNです!
セカイVPNは2014年にサービス開始した日本発のVPNサービスとしては最古参の老舗サービスです。日本の会社である安心感と最大2ヶ月間無料というとっつきやすさで選択しました。さらに月額契約のサービス料(1,100円/月)は主要サービスの中でも最安値に近く、6か月以内の海外滞在であればセカイVPNが最安となります。
繋がりやすさや速度も全く問題なく、さまざまなデバイスやブラウザにも対応済み。使い方も特に困ることはなく、使用に際しては全く問題ありませんでした。
アクセス可能な国も日本とアメリカを含めた主要10カ国あり、3デバイスの同時接続が可能と通常の使用であれば十分だと思います。
最大の問題は「長期契約での割引がない」ということです。長期に使用したときにコストの高さがより大きくなってきます。海凪の場合は少なくとも年単位の留学予定でしたので次のVPNに乗り換えてしまいました…。
もう一つの難点はアクセスポイントによっては対応している動画サービスでも視聴できず、有効なアクセスポイントを探して何回も繋ぎ変えるということがありました。ストレスフリーを求めるのであればあまりお勧めできません。
3. ミレンVPN:日本最安かつサービスも必要十分!
ミレンVPNは新興(2020年開始)のサービスです。
日本のサービスであるにもかかわらず価格の面でも対応可能動画視聴サービスの幅広さも海外発のサービスに引けを取りません。
セカイVPNと同様、カスタマーサービス含め全て日本語ですし、2年契約で360円/月の価格はそれだけで魅力的です。主要な動画視聴サービスはほぼ全てカバーできていますし、接続国数(48か国)や同時接続数(10)も他のサービスと遜色ありません。
さらに他社がカバーしていないややマイナー(失礼?)なサービスもカバーしていますのであなたが利用しているミレンVPNしかカバーしていないサービスが見つかるかもしれません。
注意点として、ミレンVPNは短期契約(月ごと契約)では1,360円/月と1,100円/月+2ヶ月分無料になるセカイVPNよりも明らかに割高ですので6ヶ月未満の短期の契約にはあまり向いていません。接続速度も「最速」ではないようです。
ミレンVPNに関しては以下の記事でさらに詳しく解説しています。もしご興味があればご一読をオススメいたします。
4. GlocalVPN:海外からの日本動画視聴サービスに特化!
GlocalVPNは2021年の開始で、紹介した7サービス中で最後発のサービスです。
その為まだ不透明な点がありますし公式Webページにも作成中の部分があります。
しかし他のサービスと比べて特筆すべきところは「海外からの日本動画サービス視聴に特化している」点です。問題があればサービスに改善要求を行うことですぐ対応する旨が公式ページに記載されています。これは他のサービスでは見ない大きな特徴です。
また1ヶ月契約・6ヶ月契約の1ヶ月ごとの料金はそれぞれセカイVPN・ExpressVPNを抜いてGlocalVPNが最安値となりました。ただし無料期間は他よりも短い7日間であることに注意が必要です。
無料期間を含めると1−6ヶ月ではまだセカイVPNが実質最安です。
月あたりの料金 | 1かコース | 6か月コース | 12か月コース | 無料期間 |
---|---|---|---|---|
GlocalVPN | 990円 | 825円 | 779円 | 7日間 |
セカイVPN | 1,100円 | – | – | 2か月間 |
ExpressVPN | $12.95 | $9.99 | $6.67 | なし(30日間は無料で契約解除可) |
一方でセカイVPNは動画視聴サービスの安定性にややかけますので動画視聴サービスを最重要視する方でかつ留学期間が6ヶ月程度の方であればセカイVPNよりおすすめできます。
最大の注意点は同時接続数が1であるという点です。家族で同時に使う場合はその分契約が必要ということになるので大幅に割高となってしまいます。また日本の動画サービスに特化しているということは裏を返せば自分の居住国以外の海外のアクセスポイントには力が入っていない、というのも注意点です。
世界のVPNサービス:日本語にも十分に対応!
海外発のVPNも今や主要なサービスはほぼ全て日本語に「大部分」対応しています。
どの程度の対応かはまちまちですが、契約~使用~契約終了に関してはこの記事で紹介しているサービスに限れば全て問題ないです。
海外発VPNが明確に優れている点はブラックフライデーセールや契約更新の際により安い契約が可能なことです。特に11月〜12月はブラックフライデー・サイバーマンデー・クリスマスセールで長期契約時の大幅値下げやプラス2-3ヶ月の無料期間が付属されるなどこの時期はかなりお得に契約できます。
さらに契約更新時も自動更新設定にしないことで引き止めのための割引を引き出すことも可能です。これも日本初のサービスではほぼ見られない対応です。
ここでは「SurfsharkVPN」「ExpressVPN」「NordVPN」の3サービスを紹介します!
5. Surfshark VPN:安くて美味い? 価格とサービスを両立!
最近勢いがあるのがSurfsharkVPNです。サービス開始は2018年です。
長期契約では業界最安(2年契約で$2.19/月)を誇るのが一番のアピールポイントですが、動画の視聴サービスの対応も幅広く、通信速度も最速レベルを誇っています。同時接続数はなんと無制限!!…とはいえ使用しているWi-Fiのキャパシティが低ければ通信速度も遅くなりますので文字通りの無制限に使用できるとは考えない方がいいでしょう。接続国数も公式によると100か国とのことでこれもまた業界トップクラスです。
あえて難点をあげるとすればアプリなど一部の対応が英語であるという点と、新興サービスのため信頼性や知名度がまだこれから、という点です。
価格だけでなく総合力を考えても十分にお勧めできるサービスと考えています。
SurfshrkVPNに関しては以下の記事でさらに詳しく解説しています。もしご興味があればご一読をオススメいたします。
6. ExpressVPN:業界最大手!しかし動画視聴サービスが目的の方には非推奨
今回の記事で紹介したサービスではExpressVPNがサービス開始2009年の最古参サービスです。セキュリティや接続可能国数(94か国)は業界トップレベルで、同時接続数5も十分な数です。
主要な動画視聴サービスを網羅しているとのことですが、使う人や地域によって違うのか、視聴ができない方もいるようなので動画視聴サービスが主目的の人は選ばない方が無難かもしれません。
値段もやや割高で、しかも1年契約までしかありません。6カ月契約は他にはGlocalVPNにしかない契約期間ですが、割引率は高くないので6か月の使用で比較するとセカイVPNの方がずっと割安です。
情報収集や学術目的でなるべく多数の国に安全にアクセスしたい!という方のみご検討を!
30日間返金保証!!
7. Nord VPN:その中でもNord VPNがベスト!
これら数多あるサービスの中でも、海凪はNordVPNをおすすめします。NordVPNは2012年からサービスを開始している老舗で、いまだに成長している信頼感のある会社です。
お勧めする最大の理由は海凪が実際に長く使用している経験ですが、客観的に見てもこのサービスを利用するメリットは大きいと考えています。
一方で注意点も少しあります。
性能・価格など一つ一つのスペックはベストではありません。各部門のベストは他社に譲っており、あくまで総合力で勝負しているイメージです。
NordVPNの具体的なメリットと契約/解約方法、具体的な使用法については「VPNならNordVPNがおすすめ!他社比較でわかる7つのメリットとNordVPNの使用・契約・解約方法を解説!」で詳細に解説していますのでご興味のある方は合わせてご参照ください!
まとめ:NordVPNが最推しですが状況に応じたベストな選択を!
留学期間かがあらかじめ分かっている方はその範囲での長期契約をお勧めします。とはいえサービスは実際に使ってみないとわからないことも多いです。特にVPNの場合は公式に視聴可能と謳っていても必ずストレスなくすべてのサービスが視聴可能というわけではありません。例えばアクセスポイントの数と質によっては何回も繋ぎなおす必要がでてくる可能性があります。
ほぼ全てのVPNの長期契約サービスには7〜30日程度の解約可能期間が付帯していますのでその間に自分にとって不都合な点がないかをしっかりと検証しておく必要があります。
また長期契約での最安レベル付近の価格差は非常に微々たるものです。その些細な価格差よりも一番大事なことはご自身の留学先の国にそのVPNが対応しているかです。
そして単純なスペックももちろん大事ですが、サービスの安定性、利用可能サービスの幅広さなどから総合的な観点で選ぶべきと考えます。
7サービスの概要を理解して自分にとってのベストを選択してください!
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