いざ留学が決まり国外に転出する準備中に頭を悩ませるものが「携帯電話(スマホ)をどうするか?」です。お金に余裕があるのであれば2台持ちでもOK!…という稀有な人は除けば、コストと利便性を天秤にかける必要があります。
そもそもどんな選択肢があるのか?それぞれの選択肢がお勧めなのはどんな人か?気になりますね。アメリカで3年間研究留学した海凪が既存の国内契約と現地の契約それぞれの選択肢について解説します。
研究留学だけでなく海外、特にアメリカに期間限定で居住される方は必読です!
まず確認:お持ちの携帯はSIMフリーですか?
多くの方はSIMフリーの携帯をお持ちですが、中にはSIMロックの携帯を使用されている方がいます。
海凪の妻がそうでした。それに気づいたのがアメリカに来てからだったのでロックを解除するためにわざわざアメリカから日本の携帯会社に電話しなければならず大変でした。番号管理にする・同じ会社で契約変更するなどの手続きであればSIMロックされていても可能なのでそれが仇となりました。
国内でキャリア変更や仲介業者のSIMを購入する場合はもちろんのこと、海外で同じ携帯で現地の契約をするのにもSIMフリーの必要があります。自身の携帯がSIMロックの解除されているか確認し、されてないならロック解除の手続きをすることは必須です。
SIMロックの確認と解除については他に参考になる情報源がたくさんありますので是非ご自身の携帯電話について確認してみてください!
国内携帯の契約に関する4つの選択肢
国内で使用していた携帯の処遇は以下の観点から判断すると良いでしょう。
1. 現行の契約を継続
1を考える方は大変太っ腹ですが費用対効果を考えるとおすすめはできません。
とはいえ留学期間が1〜3か月程度のごく短期間であれば大した金額ではないので選択肢にはなります。お金はあるが時間はない、契約変更を考える時間も惜しいという方はどうぞ、という感じです。
2. 格安SIMの最安価格にして継続
最も現実的な選択肢の一つだと思います。最近では月1000円未満の格安SIM契約も可能ですのでコストは12,000円/年以下と目をつぶれる範囲のコストです。
出国前にしておくことで一時帰国や本帰国の時の連絡手段が手続きなしで確保できることは非常に便利です。大手のキャリアと契約されている方は契約変更の手間がかかりますが、本帰国後も節約ができることを考えればその手間をはるかに上回る節約効果を手に入れることができます。
既に格安SIMを契約されている方はコース変更だけなのでさらに手間は少なく対策できますね!
ちなみに海凪は”帰国後に”ahamoにしました…
3. 番号管理にして保持
大手で契約している方限定ですが、大手との契約を本帰国後も続けたいのであれば現実的かつ低コストなのは番号管理という選択肢です。手続きはネット上で行えるので非常に簡単です。
月々500円程度のコストはかかりますが、番号保持ができるだけでなく電話一本で契約の復活が可能なので一時帰国でも不便さはありません。
海凪はこれを選択しました!
4. 解約
一番低コストならこの選択肢です。しかし電話番号を手放してしまうことになるので新しい電話番号の契約、各登録先の電話番号登録や更新を全て行わなければなりません。
帰国後の手間があまりにも大きすぎるのであまり勧められる選択肢ではありません。この戦略をとるくらいであれば格安SIMの最低料金での契約を考慮された方がいいでしょう。
ただし、留学後もそのまま現地に残りたい!背水の陣を敷く!…とまでは言わなくとも5年以上の長期で留学予定の方はアリかもしれません。解約以外の3つの選択肢は留学が長引けば長引くほどコストが積み重なっていくことは間違いありません。それならいっそ一度全て解約してリセットしまうのも有力な選択肢なのかもしれません。
現地携帯契約の4つの選択肢
現地の携帯を契約するときは下記の点を考慮に入れて決定しましょう!
A. 日本の仲介会社を介して現地の携帯会社と契約する
手軽・短期間に利用する場合はハナセルなどの日本で契約できるサービスがはるかに便利でお手軽です。日本にいる間に手続きが完了するので、現地に行ってから電話のことで慌てる必要がありません。
ただし、現在サービスを提供している会社はアメリカであっても決して多くありません。
以下の3社が代表的な仲介サービス会社です。
こういった仲介会社であれば日本にいる間に手続きができますし、全て日本語でサービスを受けられますので余計なストレスはありません。プランも複数ありますし、携帯購入でお得になるサービスなどもありますので携帯本体を買い替えをされる場合はよりお得になる可能性があります。
しかし当然のことながら仲介業者のサービスを挟んで結局は現地の携帯電話会社のSIMを使用しますので、直接契約する場合と比べればデータ料と料金のコストパフォーマンスは良くありません。以下の表を見ていただければその意味がご理解できるはずです。
短期(〜1年程度)であれば利便性を重視して日本の仲介サービスも良い選択でしょう。
しかし長期になればなるほどコストが嵩むため現地での直接契約が有利になります。格安SIMであれば尚のことです。海凪もどこかで格安SIM契約をすべきでした。
仲介業者のサービスのデメリットのもう一つは携帯電話会社が限定されていることです。特に田舎では携帯電話会社のカバー地域に差がありますので、仲介業者では希望の携帯電話会社を利用できないことがあります。
海凪の居住地域ではVerizonが最も広くカバーしていましたが日本の仲介サービスでVerizonを扱っている業者を(当時は)見つけられず仲介サービスを利用しませんでした…。
直接現地の携帯会社と契約するのが金銭的には望ましい!
やはり有利なのは直接携帯電話会社との契約で、単位データあたりの料金は明らかに安くなります。激安プランの場合は仲介業者でも安くはなりますがデータ通信も通話も初めから有料かつ速度も遅いとなると犠牲にするものが大きすぎます。
海凪は緊急時を考えた時にアメリカでそこまでのリスクは取りたくなかったので大手にしていましたが、後から考えるとリスクは小さくコスパは遥かに上回っていたので現地の格安SIM契約がオススメすべきであると今は考えています。
B. 現地の大手の携帯会社と契約
日本のドコモ・au・ソフトバンクのようにそれぞれのカバー領域は違います。日本と違うのはアメリカの国土はさらに広大ですのでお住まいの地域はどれが最もよくカバーされるかを事前に調査(各社の公式サイトで確認できます)しておくことをお勧めします。とはいえ大都市圏に留学される方は大差がないのでそれほど気にしなくてもいいかもしれません。
大手と格安SIM会社の大きな違いは実店舗の数の違いと対面サービスを受けられるか否かです。大手三社の店舗はある程度田舎であっても大抵見つかります。
一方の格安SIM会社の実店舗はまずありません。カスタマーサポートのほぼ全てはWebサイト・テキスト・チャット・email・電話などの遠隔サポートに限られます。
大手で直接契約すると得られる別のメリットとしては家族用割引、自宅用Wi-Fiとの同時契約による値引き、継続使用での値引きなどの複数の割引が利用できるという点があります。これらを駆使すればはるかに安く使え、格安SIM会社を凌駕するコストパフォーマンスを得られる場合があります。
ちなみにアメリカの大手携帯会社は以下の3つです。
海凪の地域はVerizonのカバー範囲が最も広い印象でしたので契約しました。都市部はどの3社もカバーしているのであまり違いはないですが、郊外に車で外出した時に車のトラブルがあった時が不安だったのでカバー範囲を一番に優先しました。
C. 現地の格安SIM会社と契約
格安SIMであったとしても基本的には大手の電波を間借りすることになります。逆に言うと通信そのものの品質は大手も格安SIM会社も変わりありません。
なのでコストパフォーマンスを求めるのであれば大手よりも圧倒的にオススメの選択肢になります。実店舗のサービスがほぼ期待できないことだけは要注意ですが、契約から実際の使用までネットが使える環境であればものの数分程度で完了してしまいますのであまり困ることはないのではないでしょうか。
英語での契約・サービス開始にはなりますが契約そのものはわかりやすいことが多いです。
ご参考までに主なアメリカの格安SIM会社を例示します。
アメリカの格安SIM会社について海凪が使用していたTelloを中心に解説しています!
3年間アメリカで生活した海凪のおすすめはTelloです。当ブログでもTelloについて詳しく解説していますので興味のある方はぜひご一読ください。
また以下の紹介リンクからご加入いただくと一定の条件を満たすと電話の購入や月々の通信費の支払いに使用できるクレジットが$10分付与されます。是非ご検討ください。
D. 契約せず国内の携帯を海外ローミングで使用
国内の携帯を海外で使用する場合、その契約方法にはいくつかありますが、いずれにしても現地で契約するよりは割高です。
日本国内での手続きはなしもしくは非常に簡単です。しかし一方で、日本国内の携帯電話の海外使用は以下の無視できない弊害があります。
日本のSMS認証やテキストメッセージが受信できない可能性がある
海凪の経験でも国内のSMS認証やテキストメッセージが海外で受けられないことはしばしばでした。またその会社の専用サービス(Mydocomo)では認証がうまく行われない場合もありました。メールや通話、インターネットの使用などは問題なく使えるはずですが、思わぬ部分で弊害やわざわざ国内の携帯を使用可能にしているメリットが失われている場合があるので要注意です。
現地の方とのやりとりが難しい
毎回なれない電話番号、国外通信をさせることになってしまいます。不可能ではありませんが、到底おすすめできないのは確かです。SkypeやZoomなど他の手段での代替も不可能ではありませんが、やはりデイケア、学校、役所などではそこまで柔軟に対応してくれる場所は多くないはずです。
日本の電話番号が登録できる現地のサービスはほぼない
今やアメリカだけでなく海外の大半のサービスは個人確認のため電話番号の登録は必須です。そしてこの登録に海外の電話番号の使用が可能なものは極端に限られます。
特にアメリカでは番号によるテキストやSMS認証が非常に盛んですので、テキストメッセージが使用できないと携帯を持っている意味の8割は失われます(個人の感想です)。
渡航直後をどうカバーするか
もう1つ重要な点は「渡航直後」の電波をどうカバーするかです。ほとんどの空港は無料Wi-Fiを使えますのでネットの心配はいりませんが、万が一トラブルがあった時に電話連絡ができないのではやや不安が残ります。
1の国内の携帯電話契約を継続する方や2の格安SIMで海外使用ができる契約の場合は万が一の心配はいりません。また日本の仲介業者を利用した場合はすでに使用できるSIMをお持ちですのでこれも同様です。現地のC.格安SIMの契約をe-SIMで行う場合もネット上でできますので住所が決まっている場合はすぐ契約から使用まで持っていくことができます。
また一時的に旅行用SIMを日本国内で購入して使用するのも有効な手段です。
結論:コスパ&タイパがいいのは国内番号管理×現地格安SIM契約
各選択肢のお勧め度はこの表をご覧ください!
どの選択肢を取るかは留学期間・留学後のキャリア方針・経済状況・留学する地域・留学前の準備期間・個人の価値観で大きく変わるはずです。
ただ、一般的に万人にお勧めしやすいのは国内は2.格安SIMの格安プラン継続もしくは3.番号管理による確保、現地はB. 現地の大手契約もしくはC. 現地の格安SIM契約と考えています。
この記事で情報を整理することで方針が見えてくるはずです!
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