留学前に知るべきアメリカ生活の全体像と文化・習慣

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アメリカでの留学生活に憧れてはいても実際にどんな生活が待っているのかと不安を感じる人は多いでしょう。アメリカは地域によって生活環境が大きく異なる多様性に富んだ国です。この記事では、アメリカでの生活に必要な基本情報から文化や習慣までを網羅的に解説します。

海凪
海凪

記事を読めばアメリカ生活の理解が深まり不安を解消できます!

アメリカ生活の全体像

アメリカは多民族・多文化社会のため、地域や居住区によってライフスタイルが全く異なります。

アメリカの多様なライフスタイル

アメリカには、広大な国土と多様な文化の融合により、さまざまなライフスタイルが存在します。都市部では多文化が交差し、スピーディで刺激的な毎日を送る人が多いです。郊外では家族を中心とした暮らしや地域コミュニティを大切にする人が多く見られます。

南部では伝統を重視する人が多く、家族経営のビジネスや農業が盛んです。西海岸にはリラックスした生活を好む人や、環境保護を意識した生活をする人が集まっています。東海岸はビジネスや教育の中心地として活気にあふれています。中西部では農業が根付いており、地域社会との結びつきが強いです。

アメリカでは移民文化の影響を受け、世界中からの食文化や習慣がライフスタイルに溶け込んでいます。技術の進展により、デジタルノマドやリモートワークが可能となり、場所を選ばずに仕事をする人も増えています。環境に配慮したサステナブルな生活を心がける人も多いです。

個人の自由や自己表現を尊重するアメリカならではの価値観が、多彩なライフスタイルを育んでいます。

地域によって異なる生活環境

アメリカでの生活環境は、住む地域によって大きく異なります。都市部では高層ビルが多く、住宅もコンパクトです。郊外や田舎では、広々とした庭付きの一戸建ての家が多いです。気候は地域によって変わり、冷暖房の必要性の有無も異なります。

海凪
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都市部の方がコストが高いので施設が老朽化しているのはあるあるです…。

都市部では多様な文化が交差したイベントや食事を楽しめ、郊外や田舎では地域密着型のイベントが多いです。生活コストにも地域差があり、特に住宅価格には大きな差があります。

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アメリカで生活するなら知っておきたい基本情報

アメリカは広大な国土に多様な文化が混在しており、地域によって住居や物価、食生活などの日常生活が異なります。

住居

アパートやコンドミニアム、タウンハウス、一戸建てなど、住む場所によって選択肢はさまざまです。都心部では賃貸が一般的で、郊外では一戸建ての購入が多いです。賃貸契約は通常12ヶ月が標準で、契約時にはデポジットが求められます。学生や大学スタッフの寮・集合住宅ではタームごとの賃貸契約期間も一般的です。

日本よりも契約期間に融通が効かないほか、家賃の賃貸料は家主に決める権利があります。また一旦契約した期間はどんな事情があってもキャンセルは難しく、代わりにサブリースが広く認められているため、早く退去する場合には代わりの住人を自ら見つけなくてはなりません。

海凪
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日本よりも大家の権利が強いのがアメリカの特徴です…。

住居の価格は地域によって大きな違いがあり、大都市圏では高価です。不動産購入の際はクレジットヒストリーが重要視されます。経済的な観点から、ルームメイトを見つけて住居費を分担することも一般的です。住居探しには、オンライン不動産サイトやエージェントの利用が便利です。

賃貸物件には水道光熱費が含まれることもあります。アメニティが充実したアパートでは、セキュリティシステムやプール、ジムを楽しめます。短期間の住居を求める場合、サブリースやサブレット契約の利用も可能です。アメリカでの住居選びはライフスタイルや予算に合わせて慎重に行いましょう。

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物価

アメリカでの物価は地域によって大きく異なります。都市部では家賃や食料品の価格が高い傾向にあり、中西部や南部の都市では生活費が比較的低いです。米国の消費者物価指数(CPI)を参照すると、物価動向を把握できます。外食は高価なため、自炊をする方が経済的です。

ガソリン価格には州ごとの税金に差が生じます。医療費や大学の授業料は高額です。公共サービス(水道、電気、ガス)の料金も地域差があります。節約をしたければ、スーパーマーケットや大型ディスカウントストアの割引やセールを活用しましょう。クレジットカートのキャッシュバックやポイント制度の利用もおすすめです。

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食生活

食生活にもさまざまな文化が集まっています。ファーストフードは、手軽に食事をとりたいときにおすすめです。オーガニックやヘルシー志向が高まっており、健康に配慮した食品も増えています。大型スーパーマーケットでは、必要な食材をほぼ全て揃えられます。ビーガンやグルテンフリーなどの選択肢も豊富です。

地域ごとに独自の食文化が根付いており、地域ならではの味わいを楽しめます。レストランやカフェでは世界中の料理が提供され、エスニック料理が人気です。アメリカの食事の量は多いですが、食べきれない場合はドギーバッグを用いて持ち帰れます。

地産地消を支持する人も増えており、ファーマーズマーケットなどで地元の新鮮な食材を入手できます。自分に合った食生活を選びましょう。

海凪
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外食は日本のそれより圧倒的に高価です…。

交通手段・移動方法

アメリカでの移動手段は地域によって大きな差があります。都市間の移動では、飛行機がおすすめです。多くの航空会社があり、頻繁にフライトがあるため、長距離の移動に最適です。

都市部では、バスや地下鉄、トラムなどの公共交通機関が充実しています。必要な時にすぐに呼べるタクシーやライドシェアサービスのUber、Lyftなども都市部ではよく活用されます。郊外では自家用車が生活に不可欠です。ダウンタウンエリアでは自転車や徒歩で移動する人が多く見られます。

アメリカの長距離移動は基本的に航空機になります。例外的な高速鉄道であるAmtrakは景色を楽しみながらの旅行ができます。乗客を乗せる長距離鉄道はどこにでもあるわけではないので、目的地の通行状況は事前に確認しましょう。

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医療体系・保険

アメリカの医療制度は民間保険で成り立っています。大企業の場合、会社から保険が提供されることもありますが、全ての人が民間保険に入れるわけではありません。高齢者や特定の障害者向けのメディケアや、低所得者向けのメディケイドなど、政府が運営する保険もあります。

海凪
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アメリカの大学で働く場合、保険の加入はほぼ必須です!

アメリカで医療サービスを受ける際、医療費は高額です。保険がない場合、病院での治療費はさらに高額になります。医療保険プランは多様で、カバー内容、自己負担額、保険料に違いがあります。個々の健康状態や経済状況に適した保険プランを選択しましょう。

緊急時の医療は法律で誰にでも受けられますが、その他の医療サービスでは保険加入の有無によって変わります。処方薬の費用は高く、保険によって薬剤費用のカバー範囲に差があります。アメリカで健康的な生活を送るためには、医療体系と保険の仕組みを理解しておきましょう。

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携帯電話・インターネット

携帯電話契約は後払い契約をするには、一定以上のクレジットヒストリーが必要です。クレジットヒストリーが足りない場合、プリペイドでの契約になります。とはいえプリペイド契約に特に不便さはありません。

各キャリアによって料金プランが異なるため、自分に適したプランを見つけましょう。データ使用量を管理し、余分な追加料金がかからないよう注意してください。
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家庭用インターネット接続方法には、ケーブル、DSL、ファイバーなどがあります。使用可能なサービスは居住地域によって異なるため、居住地のインターネットサービスプロバイダを調べてください。契約時には、インストール費用や機器のレンタル費用が発生することもあるので確認しましょう。

公共の場所やカフェ、図書館では無料のWi-Fiを利用できることが多く、外出時のインターネット接続には困りません。大都市圏では問題ありませんが、地方によっては、携帯電話の接続が不安定になることもあるので注意が必要です。
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治安

アメリカの治安状況は地域によって差があるので、訪れる場所の安全性を把握しておきましょう。大都市や人気の観光地でも、犯罪が多発している場所があります。夜間の一人歩きや人通りの少ないエリアは避けるようにしてください

アメリカは銃規制の法律が州によって異なるため、居住地の銃に関する規制も理解しておきましょう。万が一の緊急事態の際は911に電話をすれば警察や救急車、消防を呼べます。専用のアプリで最新の治安状況を把握することも可能です。

地元の住民や警察とのコミュニケーションを密にして、地域の治安情報を共有し合い、互いにサポートし合う関係を築きましょう。

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教育

アメリカの教育システムには、大きく分けて、K-12と呼ばれる義務教育期間と大学教育があります。プレスクール(=日本の幼稚園)から高校卒業までの教育は公立学校では無料のため家庭の経済状況に関わらず基本的な教育を受けられます。質の高い教育を求める家庭は私立学校も選択可能です。

大学入学においては、SATやACTといった標準化試験のスコアが重要視されます。世界中から学生が来る質の高い大学が多いですが、学費は高額です。多くの学生が奨学金や助成金を活用しています。

幼児教育への投資も進んでおり、プリスクールも増えています。教育形態の多様化が進み、ホームスクーリングやオンライン教育など選択肢も増えました。多文化主義を取り入れたり、スポーツや芸術などの課外活動を重視したりと、生徒の多面的な成長を促す教育がされています。

親の社会的経済的地位が子どもの教育機会に影響を与えることもあり、教育の機会均等に関しては未だ課題が残されています。

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銀行・金融サービス

銀行口座は、必要な書類と手続きの流れを確認し、チェックアカウントとセービングアカウントの違いを理解したうえで開設してください。クレジットスコアはアメリカでの信用を左右するため、スコアを上げる方法もきちんと把握しましょう。日々の管理が楽になるため、オンラインバンキングやモバイルバンキングサービスの利用も有効です。

投資アカウントの開設も、将来の資産形成のために検討しましょう。国際送金の際には、各オプションの手数料や利便性を比較してください。退職後の資金管理については、401(k)やIRAなどの制度の活用がおすすめです。

FDIC保険によって一定額までの預金が保護されているため、安心して銀行を利用できます。デジタル支払いシステムや仮想通貨についても理解しておきましょう。適切なサービスを選び、賢く活用することで、アメリカでの生活をより豊かで快適なものにしてください。

チップ

レストランでの外食(ファーストフードやセルフサービスを除く)やホテルでの宿泊やポーターに荷物を運んでもらった時などにチップを支払うことが一般的です。相場は場所やサービスによって異なりますがアメリカでは一般的なマナーですので郷に入っては郷に従え、なるべく早くその文化については馴染んでおきましょう。

小切手

日本では個人間の金銭のやり取りとしてはほぼ見なくなった小切手ですが、アメリカの地方ではまだまだ一般的な金銭のやり取りの手段です。銀行でも小切手の送付やアプリでの小切手の入金などのサービスを行っています。

Venmo

小切手という手段があるとはいえキャッシュレスは日本よりも進んでいます。個人間の金銭のやり取り(飲み会の割り勘など)ではVenmoを使用することが一般的です。現金が役割を終えつつあるアメリカでは、プライベートの飲み会でクレジットカードで会計したのちに現金ではなくVenmoで割り勘の計算と送金を行うことが一般的です。(もしくは一人一人個別にクレジットカードで支払い)

社会保障・税制

社会保障番号は、アメリカで働く際などに不可欠なので、取得方法をきちんと把握しておきましょう。国と州に支払う税金の仕組みを理解し、所得に応じて適切な申告を行ってください。税金申告のプロセスやe-filingの利用方法を把握しておくと、申告がより簡単になります。

税控除と税額控除の違い、正規雇用とフリーランス契約の税務上の違いも重要です。税務監査が行われた際の権利や、米国外で収入を得た場合の国際税務報告要件も事前に理解してください。

雇用に基づく福祉プログラムや、公的医療保険制度の概要も把握しておきましょう。家族を持つ場合には、児童税額控除なども活用しましょう。

オバマケアに基づく健康保険の選択肢や、医療費用に関する税金優遇アカウントについての理解も大切です。自分が受けられるサービスを知っておくことで、安心して生活できます。

日本人が知るべきアメリカの文化と習慣

アメリカは自由と個人主義を重視し、地域によって価値観や生活様式が大きく異なります。

アメリカの国民性と価値観

アメリカの国民性と価値観は、多様な文化と習慣が共存するアメリカ社会を理解する上で重要です。アメリカ社会では、個人の自由と自己表現を尊重し、自分の意見を自由に表現することが好まれます。個人主義的な考え方は、独立精神や起業家精神にも影響を与えています。

平等に対する強い信念も特徴です。全ての人が平等であるという考えによって、法の前の平等や機会の平等を尊重します。成功と成果を追求する文化があり、自己実現やキャリアアップを目指し、職場での成果が個人の価値を高めると考えます。

具体的で目的に直結する行動を好み、無駄を避ける点も特徴です。宗教は日常生活において重要な役割を果たし、多くの人々が宗教的な価値観を大切にしています。ボランティア精神があり、コミュニティの結束を強めています。

寄付の文化も日本よりはるかに盛んです。常に寄付のイベントが開催されていますし、小児病院などは豊富な予算の多くの部分を寄付で賄っているため、より高度な医療やサービスを提供できている側面があります。

日常生活でのマナー・エチケット

日常生活において、基本的なマナーやエチケットを守ることは、コミュニティ内での円滑な関係を築く上で重要です。アメリカでは地域や状況に応じて異なる慣習がありますが、共通するエチケットもあります。挨拶はフレンドリーに行うことが好まれ、初対面の人には「Hello」や「How are you?」と声を掛けます。

公共の場では、順番を守って列に並び、他人のプライベートスペースを尊重してください。ドアを開けた際には後続の人のために少し待ちましょう。食事中は口を閉じて食べ、音を立てないのがマナーです。レストランやタクシーでは感謝を示すため、15~20%のチップを支払います。

他人の意見やプライバシーを尊重し、必要以上に詮索しない態度も大切です。会話をするシチュエーションにもよりますが、例えば親の職業や本人の職業を尋ねることはしばしばマナー違反とされます。

海凪
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マナーやエチケットを守ることで、アメリカでの生活がより快適になります!

祝日・イベント・フェスティバル

アメリカでは、ニューイヤーズデイや独立記念日、サンクスギビングデイ、クリスマスデイなどの祝日があります。祝日は家族や友人と共に過ごす特別な時間です。公的機関やビジネスは休業するため、日程を事前把握しましょう。

イースターやマーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デイのような祝日には、歴史的背景や宗教的な意味合いがあります。ハロウィンやバレンタインデイといったイベントは、友人やコミュニティとの交流を深める機会になります。

スーパーボウル、ブラックフライデー、サイバーマンデーなどは、アメリカ独自の文化で、経済的な影響が大きいイベントです。カントリーミュージックフェスティバルやコーチェラミュージックフェスティバルなどでは音楽や芸術、食文化を祝います。

アメリカの生活を満喫するためには、祝日やイベント、フェスティバルに積極的に参加し、多様な文化に触れることがおすすめです。

アメリカの祝日
  • 1月1日:New Year’s Day(元旦)
  • 1月15日:Martin Luther King. Jr Day(キング牧師記念日)
  • 2月19日:President’s Day(大統領の日)
  • 5月27日:Memorial Day(戦没者記念日)
  • 6月19日:Juneteenth(奴隷解放記念日)
  • 7月4日:Independence Day(独立記念日)
  • 9月2日:Labor Day(労働者の日)
  • 10月14日:Columbus Day(コロンブス記念日)
  • 11月11日:Veterans Day(退役軍人の日)
  • 11月28日:Thanksgiving Day(感謝祭)
  • 12月25日:Christmas day(クリスマス)

まとめ

アメリカでは地域ごとに環境や文化が異なります。住居や物価、交通の情報は日々の生活に密接に関わってくるので、事前に把握してください。医療や社会保障の制度、国民性やマナーを理解しておくことで問題を未然に防げます

マナーや文化を理解し、イベントにも積極的に参加することでアメリカの生活を楽しみましょう。
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