3ヶ月以上の中長期滞在となる海外留学ではビザの取得は必須です。留学先を確保し、資金源にも目処がつき、いざ留学!…となった後のビザ申請の手続きに戸惑う医師は多いです。
この記事では、特にアメリカのビザについて、ビザの基本から申請の流れ、必要な書類に至るまでを解説します。ビザ取得時の不安を解消し、準備の手順をスムーズに進められるようになります。
わかりにくいビザ取得ですが、この記事+公式サイトの情報で十分把握できます!
アメリカ留学のビザに関する基礎知識
アメリカ留学のビザに関する基礎知識について、以下の4点を解説します。
- アメリカに留学するためのビザの種類
- ビザの選び方
- ビザ申請にかかる費用
- ビザの前提条件
まずはビザの基本的な知識をざっくり理解しましょう!
アメリカに留学するためのビザの種類
アメリカに留学する際には、目的と滞在期間に応じたビザの選択が必要です。
医師がアメリカに留学するためのビザの種類は主に以下のとおりです。
- J-1ビザ:交換訪問者プログラム用(研究者や教師、インターなど)
- F-1ビザ:学術機関(大学や高校等)での留学用ビザ
- B-1ビザ:商用/観光ビザ
- H-1Bビザ:専門職を有する外国人を対象とした就労ビザ
以上の留学関連ビザのそれぞれの特徴を把握した上で、最適なビザを選択しましょう!
ビザの選び方
ビザ選びで考慮する要素は、以下のとおりです。
- 留学の目的
- 留学の身分
- 資金源
留学前のキャリア、留学先での身分や立場により選ぶべきビザの種類が変わります。家族と一緒に留学する場合は、家族ビザも必要ですが、通常は主たる留学者のビザが決まれば自動的に付随する家族ビザは決まってきます(例:J-1ビザであれば家族はJ-2ビザ)ので、迷うことはありません。
ビザの種類については留学先への確認が必須ですが、必ずしも適切な答えをくれるとは限りません。留学先での法律や規制、ビザ取得後の制限などを理解し、自分の生活プランに最適なビザを選択しましょう。
とはいえ臨床・研究どちらの留学でもほとんどの人はJ-1ビザになるはずです!
ビザ申請にかかる費用
アメリカに留学する際、ビザ申請には少なくない費用がかかります。一人であればそれほどではありませんが、家族が帯同する場合「単価×人数」がかかりますので負担感は小さくありません。
一般的な費用は、以下のとおりです。
- SEVIS I-901: $350
- F、M、Jビザを申請する学生や交換訪問者は必須となる料金です。
同時多発テロを契機に学生の管理を強化するために導入されたシステムの運用と管理に使用されます。 - DS-160: $160
- ほとんどの非移民ビザ申請者が提出を求められる重要な書類です。
DS-160は申請者の個人情報、渡米目的、学歴、職歴、犯罪歴などの詳細な情報を収集するために使用されます。オンラインビザ申請フォームを提出するために必要な料金です。
ビザの発行には、以下の費用もかかる場合があります。
- 大使館への面接や受取のための交通費
- パスポートの郵送費
- 翻訳料や書類認証料(必要書類のオリジナルが日本語の場合)
家族の申請も含めるとかなりの金額になりますが、ビザ申請に関わる費用を人生への投資と考え、適切な準備と計画でスムーズな申請手続きに進みましょう。
» アメリカポスドク(研究留学)の給料と生活費用を解説(一人暮らし編)
» アメリカポスドク(研究留学)の給料と生活費用を解説(妻・子ども2人と同居編)
» アメリカの生活費事情:実際の出費についてわかりやすく解説
留学ビザ申請のための前提条件
留学ビザの申請には、いくつかの前提条件がありますが、特に留学先の教育機関から正式な入学許可を得ていることが、必須条件です(当たり前ですが…)。
そのほかの前提条件は、以下のとおりです。
- 留学期間中の経済的な支払能力の証明→雇用証明や資産証明
- 留学目的が教育であることの証明→入学許可証や雇用証明
- 帰国意志の表明(留学後の自国への帰国計画)→申請時の意思表示
- 健康状態と犯罪歴のないことの証明→申請時の質問や必要時の証明書
- 有効なパスポート(ビザの有効期間を超える期間が望ましい)
留学ビザ取得のため、以上の前提条件を理解し、適切に準備しておくことが重要になります。
» アメリカ留学に向けたパスポート取得方法を解説!
研究留学の場合
研究留学の場合、J-1, F-1, B-1, H-1Bビザが対象となり得ます。
しかしほとんどの研究留学ではポスドクもしくは研究助手(Research assistant)での留学になりますのでほぼ確実にJ-1ビザが対象です。大学院生もプログラムによってはJ-1が対象になります。
J-1ビザが対象にならない場合、大学生・その他の大学院生としての留学ならF-1、無報酬・短期間ならB-1、教授など高位のポジションであればH-1Bが対象になるというのが大雑把な分類です。
必ず留学先の事務担当にビザの種類を確認しましょう!
J-1ビザ:最も一般的な留学用のビザ
日本語では「交流訪問者ビザ」という名前で実務研修や研究を目的とする留学生向けのビザです。多数の職種が対象で、研究留学のポスドクもその一つです。
- J-1ビザの特徴:
- 研究留学で最も一般的に使用されるビザ
- 申請から取得までの期間は約4〜8週間
- 給与の支払い元は問わない
- 税制面では2年間は非居住者(=Non-resident)として扱われる
1回のビザの最長期間は5年=60か月ですが、延長が可能で理論上は6-10年J-1ビザで留学することが可能です…が、ポスドクを10年するのは一般的にはあまり良い選択肢ではないとされます。またプログラムによって延長期間が決まりますので必ず5年の延長が可能なわけではありません。
レジデンシーやポスドクなど給与を前提としたプログラムですが、奨学金や自己資金での留学でも適応されます。
またこのビザの目的は日米の技術交流なので、再渡米して給与を得るにはJ-1ビザ終了時に2年以上帰国して学んだ技術を日本に還元する必要がある、という名目の「2年ルール」が適用されることが多いです。例外はありますのでビザの更新や他のビザへの変更を考える場合は個人個人で確認が必要です。
チェックポイント
ビザに「TWO YEAR RULE DOES NOT APPLY」と記載がある場合でも「実は適応される」ということがある(!)ので大使館に確認する必要があります。
その他の注意点としてJ-1ビザは「原則就労禁止」という点が挙げられます。特に勝手に就労した場合にはビザ停止の対象になるので注意が必要です。どうしても金銭的に困ってしまう場合にはJ-2ビザのパートナーであれば許可を得ることで就労が可能です。
海凪は契約期間が1年ごとで1年ずつ2回延長したのでビザも2回更新しました…。
F-1ビザ
医学部生としての留学や大学院生としての留学(J-1対象外の場合)、MPH(公衆衛生修士)留学が対象になります。
F1ビザは、アメリカで「就学」を目的とする人のためのものであり、「就労」のためではありません。したがって、F1で留学している人が働くことは基本的には許されていません。ですが、定められた条件を満たすと就労も可能です。
例えば留学先が大学であれば、大学側の許可を得た上で、大学内の施設や大学と関係がある施設などで働けます。一定の単位以上を取っているフルタイムの学生であることが条件です。また、夏休みや冬休みを除く学期中は、トータルの就労時間が週20時間までと決められています。
また大学外で働くには、大学に1年以上在籍していることが前提となります。その上でアメリカの移民局に申請し、「不可抗力により経済的に困難な状況にある」などと判断されると、就労を承認される可能性があります。ほかにも、カリキュラー・プラクティカル・トレーニング(CPT)と、オプショナル・プラクティカル・トレーニング(OPT)という、学業に関連する実習や、修了後の一時的な雇用による働き方があります。
アメリカで就労する際には、ソーシャル・セキュリティ・ナンバー(社会保障番号:SSN)が必要なので、実際に働く前に社会保障局に申請しましょう!
B-1ビザ
無給の見学・研修が目的の短期留学ビザですが、期限延長や給与に対する制約もありますのでJ1が可能ならそちらの方がベターです。
H-1Bビザ
H-1Bビザはよほど確立した立場を持つ研究者でなければ対象になりません。
例えば留学先に請われ、給与も確定しているPI・教授クラスなどが対象になります。留学というよりは招聘された研究者が雇用される時に必要なビザなので多くの読者は対象になりません。
臨床留学の場合
J-1ビザ
- 目的:教育、芸術、科学の分野における人材、知識、技術の交流を促進するためのビザ。
- スポンサー:レジデンシーの場合はECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)がスポンサーとなる。
- 期間:最長7年間の臨床留学が可能で必要に応じて許可されれば7年目以降も延長可能。
- 利点:必要な書類が揃えば比較的短期間で取得可能。
- 制約:トレーニング用ビザであるため、指導医(Attending)としての勤務は不可。また、ビザの更新手続きが雇用期間ごとに必要。
- 帰国義務:J-1ビザから他の移民ビザ(例:グリーンカード、H-1Bビザ)に移行する前に2年間の母国帰国義務がある。
レジデンシー(初期研修医)、フェロー(後期研修医)などが対象となるビザです。臨床留学でもJ-1ビザが最も一般的で、ほとんどの方が対象になり得ます。
帰国義務(2年間ルール)や指導医としての勤務が不可などの制約があり長期に米国で臨床医として働きたい場合はH-1Bビザもしくはグリーンカードを取得する必要があります。
H-1Bビザ
- 目的:専門職を有する外国人を対象とした就労ビザ。
- 期間:最長6年間の滞在が可能(特定の条件下で7年目以降も延長可能)。
- 利点:指導医(Attending)として勤務が可能。アカデミアでの勤務も継続可能。
- 制約:応募には一定の業績が必要。研究者の場合、取得できるグラントに制限がある。
- 帰国義務:H-1Bビザ保持者には「2年ルール」の帰国義務が適用されない。
指導医以上の勤務が可能な場合に対象となるビザです。よほどの業績がなければJ-1ビザで留学し、実績を積んで指導医以上で雇われる場合にH-1Bビザに変更することが一般的です。
J-1よりも高待遇、自由度の高い勤務が可能になるのでメリットは大きいですが、詳細に渡るかなり細かい、多量の資料提出が求められます。
一人で準備するのはかなり困難&ミスは許されないので通常は顧問弁護士などに依頼・協業して申請することになります。
F-1ビザ
無給・奨学金が前提の学生ビザです。臨床留学というカテゴリーで使用する可能性があるのは医学部からの留学かもしくは臨床留学後にMPHやPhDを取得するため大学院に在籍する場合です。
いずれの場合も金銭的なハードルの高さやビザ自体の制約などから臨床留学する方で取得する対象者は少ないでしょう。
アメリカ留学ビザ申請の基本的な流れ
アメリカ留学ビザの申請の基本的な流れは以下のとおりです。
- 留学先からの必要書類の取得
- SEVIS I-901料金の支払い
- DS-160オンラインビザ申請フォームの記入
- ビザ申請料の支払い
- 面接の予約と準備
- 予約日に面接
- ビザ承認とパスポートの受け取り
アメリカ留学のビザ取得をスムーズに進めるため、必要な書類は事前に把握し、準備を万全にしておきましょう。
アメリカ大使館の公式Youtube動画がわかりやすく参考になりますのでご参照ください。
アメリカビザ取得の基本的な流れ
1. ビザの種類の確認
まず、自分の渡航目的や滞在期間に合わせて、適切なビザの種類を確認します。当記事の前半を参照にしつつ、留学先に確認してビザの種類を選びます。
2. 必要書類の確認と取得
J-1ビザであればDS-2019、F-1ビザであればI-20フォームなどの必要書類の確認と取得をしましょう。DS-2019など留学先から郵送で原本を送ってもらう必要がある場合、ここが一番の時間のネックになるのでなるべく早く動いておく必要があります。
3. DS-160オンライン申請書の作成
F-1やJ-1などの非移民ビザを申請する場合はDS-160というオンライン申請書を英語で作成する必要があります。この申請書には個人情報や渡航目的などを詳細に記入します。
4. 申請料金の支払い
ビザの種類に応じた申請料金を支払います。支払い方法は指定された方法に従ってください。
5. 面接の予約
DS-160の作成と申請料金の支払いが完了したら、アメリカ大使館または領事館での面接を予約します。予約はオンラインで行います。
予約枠は限られていますので細かい準備よりも先に予約することがおすすめです!
6. 必要書類の準備
面接に必要な書類を準備します。一般的に以下の書類が必要です
- 有効なパスポート
- 過去10年間に発行された古いパスポート(ある場合)
- DS-160の確認ページ
- 面接予約確認書
- 証明写真
6. 面接(インタビュー)
予約した日時に大使館または領事館で面接を受けます。面接では、渡航目的や個人情報などについて質問されます。
7. ビザの発行・取得
面接後、審査を経てビザが発行されます。提出した有効期限内のパスポートにビザが貼付されて郵送されます。大使館のお近くにお住まいの方や時間が本当にギリギリの方は直接取りに行くことも可能です。
注意点
以下のような点に注意が必要です。特に時間の問題は多くの人にとってネックになるますのでタイムスケジュールをしっかり把握しておきましょう。
ビザ申請の手続きは複雑で時間がかかる場合があります。渡航予定日に十分余裕を持って準備を始めることが重要です。また、ビザの種類や個人の状況によって必要な手続きが異なる場合があるので、詳細は在日アメリカ大使館のウェブサイトや専門家に確認することをおすすめします。
J-1ビザ申請・取得の具体的な流れ
ここでは最も多くの方が対象になり、海凪も実際に経験したJ-1ビザの申請・取得の流れを具体的に説明します。
- パスポートの取得
- DS-2019フォームとOffer Letterの取得
- その他書類の準備
- SEVIS I-901料金の支払い
- DS-160オンラインビザ申請フォームの記入
- ビザ申請料の支払い
- 面接の予約と準備
- 予約日に面接
- ビザ承認とパスポートの受け取り
1. パスポートの取得
流石にご自身のパスポートをお持ちでない方はビザ申請の情報を集めていないと思いますが、家族の分がまだであれば必ず作成しておきましょう。留学時はもちろんのことビザの申請と費用支払いの段階でパスポート番号が必要になります。
2. DS-2019とOffer Letterの取得
DS-2019とOffer Letterがなければ始まりません。留学先からアメリカで公的に認められたプログラムであることの証明書であるDS-2019と、同じく留学先から「この条件で受け入れますよ」というOffer Letter(別の名前のこともあり)を原本で郵送してもらう必要があります。
ここが時間的にかなりのネックになる可能性があります。理由の一つ目はコミュニケーションエラー、二つ目は事務員の怠慢(アメリカあるある)、三つ目は郵送の遅延と不確実性です。特に2で困ってしまう方が多い印象です。
場合によってはパスポートよりも先に動く必要があるかもしれません。とっても先方に依頼したらあとはひたすら待つだけなのですが、あまりに遅い場合は何回か急かす必要があります。
主張できない人はアメリカだと放っておかれます…。
3. その他必要書類・写真の準備
写真は必須です。規定が細かくあるので手間・料金はかかりますが自撮りはせず、写真屋さんで依頼しましょう。原本とデータが必要なので必ず両方とも受け取るようにしてください。
その他の書類は必ずしも全て用意する必要はありませんが、あればあるほど信用度は増しビザの取得確率は上がります。
- カラー顔写真
- 最終学歴の英文卒業証明書または在籍証明書
- 最終学歴の英文成績証明書
- 英文雇用証明書(職歴がある場合)
- 英文残高証明書
4. SEVIS I-901料金の支払い
SEVIS I-901料金は、アメリカの学生及び交換訪問者情報システム(SEVIS)に登録するための手数料です。
SEVIS I-901料金は、以下のとおりです。
- Fビザ(学生ビザ):$350
- Jビザ(交換訪問者ビザ):$220
支払いはオンラインで行われクレジットカードやデビットカードなどで支払えます。支払いが完了すると、確認書が発行されます。確認書は、ビザの面接時に提出する必要がある重要な書類です。
ビザ申請前に支払う必要がある点に注意が必要ですDS-2019フォームを取得した後、SEVIS I-901料金の支払いを行います。詳細な手順や必要な情報は、SEVPの公式ウェブサイトを確認し、指示に従いましょう。
支払い方法
SEVIS費用の支払いは、指定されたウェブサイト(https://fmjfee.com/i901fee/index.html)でオンラインで行います。支払いにはクレジットカードを使用するのが便利です。
支払い手順
指定のウェブサイトにアクセスし、「PAY I-901 FEE」をクリックします。
個人情報とDS-2019情報を入力します。
支払い方法を選択し(クレジットカードが一般的)、必要な情報を入力して支払い完了します。
支払い確認書(I-901)の取得
支払いが完了すると、SEVIS費用支払い確認書(I-901)をダウンロードできます。この確認書は、ビザ申請時に必ず提出する必要が相rます。
参考:SEVIS I-901とは: テロ防止のための学生管理システム費用
SEVIS I-901は、アメリカの学生ビザ申請において必要不可欠な手続きの一つです。SEVISは「Student and Exchange Visitor Information System(学生・交換訪問者情報システム)」の略称で、このシステムを運用するための費用をビザ申請者が負担するものがSEVIS費用、通称I-901 feeです。
SEVIS費用の目的
2001年の同時多発テロ事件以降、アメリカ政府は留学生などの管理を強化するためにこのシステムを導入しました。SEVIS費用は、このシステムの運用と管理に充てられます。
支払いの必要性
F、M、Jビザを申請する学生や交換訪問者は、ビザの面接前にこのSEVIS費用を支払う必要があります。これは米国移民法で定められており、支払いを怠ると、ビザ申請に支障をきたす可能性があります3。SEVIS I-901の手続きは、アメリカ留学を目指す上で非常に重要なステップの一つです。正確に手続きを行い、必要な書類を準備することで、スムーズなビザ申請につながります。
5. DS-160オンラインビザ申請フォームの記入
DS-160申請フォームは非移民ビザ申請用であり、オンラインで提出します。申請をスムーズに進めるためには、正確な情報を英語で入力することが必要です。
DS-160オンラインビザ申請フォームの記入で必要な情報は、以下のとおりです。
- 氏名などの個人情報
- 旅行計画(現時点の推測でOKです)
- 旅行履歴
- アメリカ国内の連絡先
- セキュリティとバックグラウンドに関する質問
アメリカのビザの写真要件に基づいた写真を、デジタル形式でアップロードする必要があります。入力した情報は送信前に再確認し、修正する箇所はないかチェックしましょう。面接時に持参する必要があるため、確認ページの印刷が必要です。
写真に問題があると非常に手間がかかるので写真屋さんでの撮影をお勧めします!
バーコード番号が記載された確認ページの情報は、後のステップでも必要となるため、記録しておきましょう。SNSアカウント情報の提出が必要な場合もあるため、準備しておくと安心できます。DS-160フォーム提出後の内容修正はできません。情報入力には、細心の注意を払いましょう。
申請方法
- オンラインでDS-160フォームにアクセス
- 個人情報、パスポート情報、渡米目的、学歴、職歴などを入力
- すべての情報を入力後、内容を十分に確認してから提出
20分以上操作がないとセッションが終了するため、こまめに保存しながら進めることをお勧めします。
全ての入力は英語で行うことになりますので、必要時は自動翻訳やAIも使いながら慎重に入力してください。
パスポートや学歴証明書など、必要な書類を手元に用意してから入力を始めましょう。
また入力に時間がかかる場合があるので、十分な時間的余裕を持って取り組むことをおすすめします。
注意点
正直な回答: DS-160の入力では、嘘をつくことは絶対に避けるべきです。一箇所でも虚偽の情報が発見されると、ビザ却下の原因となる可能性があります。
提出後の修正: 一度提出したDS-160の内容は変更できません。ただし、面接日の2日前までであれば、追加料金なしで新しいDS-160を提出し、差し替えることが可能です。
確認番号: 提出後に発行される確認番号(AAから始まる10桁)は、面接予約時に必要となるので、必ず保管しておきましょう。
確認画面の印刷: 提出後の確認画面は、ビザ面接時に必要となるため、必ず印刷して保管してください。
参考:DS-160とはアメリカの非移民ビザ申請に必要なオンライン申請書
F, J, H, Bを含む、ほとんどの非移民ビザ申請者が提出を求められる重要な書類です。
この申請書は、申請者の個人情報、渡米目的、学歴、職歴、犯罪歴などの詳細な情報を収集するために使用されます。アメリカ国務省がビザ申請者の適格性を判断する際の基礎資料となります。
DS-160は、ビザ面接の基礎となる重要な書類です。面接官はこの情報をもとに質問を行い、申請者の適格性を判断します。そのため、正確かつ詳細な情報を提供することが必須です。
面接の予約と準備
ビザを取得する過程で、面接の予約と事前準備が欠かせません。アメリカの大使館や領事館のウェブサイトを確認し、面接の予約方法を確認しましょう。日程決定時には、自身のスケジュールとビザ発行までの期間の考慮が重要です。
一般的な質問への回答を用意し、面接官を不安・不快にさせないような通常の服装を選択しましょう(注:スーツである必要はありません)。面接当日には、必要な書類を忘れずに持参します。留学計画や目標を明確にしておくと、面接官に意欲をはっきりと伝えることが可能です。
事前の模擬面接で、自信と対応力を高められます。面接場所と交通手段を事前に確認し、当日の遅刻を避けましょう。体調と精神状態を整えるのも大切です。入念な準備で、面接当日を最良の状態で迎えられます。
予約日に面接
面接を成功させるためには、事前の準備が欠かせません。アメリカの領事館や大使館に訪れるので、時間をしっかりと確認し、遅れないようにしましょう。
面接時のポイントは、以下のとおりです。
- 適切な服装とマナーのある態度で臨む(普通で十分)
- 必要な書類を忘れない
- 面接官の質問を想定して答えを準備しておく
- 上記の答えを英語で話せるように練習しておく
- 資金証明や留学の目的を証明できるように準備する
必要な書類には、DS-160の確認ページや面接予約の確認、SEVIS料金の支払い証明などがあります。面接中は、落ち着いた態度で、正直に質問に答えましょう。面接後の手続きや、パスポートの返却に関する指示は入力済みですが、聞かれても答えられるように頭に入れておきましょう。
必ずしも全ての質問に正確に回答できなくてもOKなのでリラックスして臨みましょう!
ビザ承認とパスポートの受け取り
ビザ承認後パスポートにビザが貼付されたら受け取りが可能になります。パスポートは郵送もしくは指定された場所での直接受け取りで、ビザ申請時に入力することになります。
パスポートの受け取りには数日から数週間ほどかかります。直接受け取る場合には本人確認が必要になるため、身分証明書の持参が必要です。パスポートを受け取ったら、ビザに記載されている下記の内容をしっかりと確認しましょう。
ビザに記載されている内容は、以下のとおりです。
- 氏名・生年月日・性別・誕生日
- パスポート番号・国籍
- ビザの種類
- 発行日
- 有効期間
- 適応される留学プログラムの番号
- Control Number
ビザに訂正箇所を見つけた場合は、速やかに大使館や領事館に連絡を取る必要があります。
アメリカ留学ビザの申請に必要な書類
アメリカ留学ビザの申請にあたり、必要な書類をそろえましょう。アメリカ留学ビザの申請に必要な書類について、以下の2点を解説します。
- 留学に必要な書類リスト
- 追加で必要になる可能性のある書類
書類はビザの承認に直結するため、念入りな準備が必要です。
参考:研究留学に必要な書類リスト
ビザ申請を含む研究留学に必要もしくはあると望ましい書類リストは、以下のとおりです。
- パスポート(有効期限が留学開始期間から6ヶ月以上余裕があるもの)
- 留学許可証(DS-2019/I-20フォーム)
- SEVIS I-901料金の支払い証明
- DS-160オンラインビザ申請の確認ページ
- 留学ビザ申請料の支払いレシート
- 写真(アメリカのビザの規定に沿ったもの)
- 学歴証明や成績証明書
- 財政証明書(奨学金や預金残高証明、親の収入証明など)
- 英語能力証明(TOEFLやIELTSのスコア)
- 研究計画や留学目的を説明す論文や研究申請書など
- 推薦状(場合によっては必要)
- 留学生保険の加入証明(必要な場合)
以上の書類をしっかりと準備し、ビザの申請プロセスに臨みましょう。
パスポートの期限は必ずしも留学期間を超過している必要はありませんが、ビザの有効期限はパスポートの有効期限以下になりますので、更新時期の前にパスポートもビザも更新する必要があります。
書類は多ければ多いほど望ましいですが、時間と相談して重要なもの・時間がかかるものから用意していきましょう!
追加で必要になる可能性のある書類
留学ビザの申請で、場合によっては追加書類の提出が求められます。求められたときに速やかに提出できるように予めリストアップしておくとスムーズです。
追加で必要になる可能性のある書類は、以下のとおりです。
- 推薦状や保証人の書類
- 銀行の残高証明
- 奨学金の授与通知書(該当する場合)
- 学業成績証明書
- 標準化試験のスコア(TOEICやTOEFLなど)
- 健康保険証
- 経歴書または履歴書
- 犯罪経歴証明書
- 以前のビザ(該当する場合)
- 研究計画書またはプロジェクト概要(大学院生または研究者の場合)
- 納税証明書または税関連文書(自己または保証人のもの)
- 旅行予定書や往復航空券の予約証明(要求される場合)
- 前の学位や資格の証明書(該当する場合)
事前の確認と準備で、ビザ取得がスムーズにできます!
参考リンク
» 留学に残高証明書が必要な理由(工事中)
» アメリカ留学に必要な保険(工事中)
» アメリカの留学に必要な予防接種と州ごとの違いを解説!(工事中)
アメリカ留学ビザ申請時のよくある質問
アメリカ留学におけるビザの申請過程は複雑で、多くの留学志望者がさまざまな問題に直面します。アメリカ留学ビザ申請時のよくある質問は、以下のとおりです。
- ビザ申請が拒否された場合の対処法
- 申請内容に誤りがあった場合の修正方法
よくある質問の答えを把握しておくと、スムーズなビザの申請が行えます。
ビザ申請が拒否された場合の対処法
ビザ申請が拒否された場合、適切な対応をすれば再申請が可能です。
ビザ申請が拒否された場合の対処法の具体例は、以下のとおりです。
- 追加情報の提供
- 拒否された点を改善した新たな情報や文書を用意し、必要であれば、移民法の専門家である弁護士に相談する
- 停止期間の確認
- 一定期間の再申請停止期間が設定されている可能性もあるため確認する
他のビザタイプが適用可能な場合もあるため、代替オプションを検討する - 面接官とのコミュニケーション
- 面接時に拒否理由に関する詳細を質問し、より具体的な改善策を得る
- 経済状況の証明
- 経済的な理由で拒否された場合、より確かな財政証明を用意する
ビザ申請が拒否された場合は、拒否の理由を確認した上で適切な手順を踏み、再申請を行いましょう。
申請内容に誤りがあった場合の修正方法
申請内容に誤りを発見した場合、多くのケースでは修正が可能です。
申請内容に誤りがあった場合の修正方法は、以下のとおりです。
- 申請フォームの提出後に誤りを発見した
- 面接の際に係員に報告する
- DS-160フォームの記入ミスを修正したい
- 新しいフォームをオンラインで提出し、新しい確認ページを印刷する
- 誤った情報がビザ発行後に発見された
- 最寄りのアメリカの領事館か大使館に連絡して指示を仰ぐ
- SEVIS I-901料金の支払いに関する間違いがある
- SEVISヘルプデスクに問い合わせて修正を依頼する
- DS-2019/I-20などの重要書類に誤りがある
- 発行した留学先の国際学生事務所などの担当部署に連絡して訂正してもらう
修正前には、すべての情報を慎重にチェックし、同じミスが再度起こらないよう細心の注意を払いましょう。正しい情報の提供は、留学ビザ申請において非常に重要です。誤りを見つけ次第、迅速な対応を心がけましょう。
おまけ:グリーンカードについて
グリーンカード(永住許可証)
グリーンカードがあると選べる奨学金や研究助成金の幅と難易度が下がりますので長期間アメリカでの研究・臨床生活を送りたい方は取得を目指すのも一つの方法です。
また抽選でグリーンカードを取得できるプログラムもあります。
現地で出産した子どもはグリーンカードの取得権が与えられます。18歳の時に保持するか放棄することを選びますが、その選択の有無は日本に伝える必要がないので、手続きを踏めばグリーンカードと日本国籍の両方を保持することが可能と言われています。
近い家族にグリーンカード保持者がいると取得のハードルがグッと下がります!
まとめ
アメリカ留学を実現するためには、適切なビザの取得が必要です。さまざまな種類のビザの中から、自分の留学の目的や条件に合ったものを選び、申請を進めましょう。ビザの申請には費用がかかるだけでなく、複数の手順を踏む必要があります。
ビザの申請には、必要な書類もたくさんあるため、早めの準備が大切です。ビザの申請が拒否されたり、申請内容に誤りがあったりした場合の対処法を理解しておくと、万が一の場合に備えられます。ビザ申請の正しい知識と情報を持つことで、スムーズな留学準備が可能です。
» 留学準備の最適プランニング
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