【ひな型ダウンロード可】Personal Statementの書き方(海外留学・医師・研究者)

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留学準備中の方へ
海凪
海凪

海凪が留学準備をしているときにCV(履歴書)と並んで最も悩んで苦労したものの一つがPersonal Statement(志望動機)の作成でした。

Personal Statement自体のフォーマットや例はネットで例えば「Personal Statement format」で検索すれば無数に出てきます。しかし対象は大学入学、大学院入学、就職用など多数あり、かつ人それぞれの経歴、専門分野、国の事情などあらゆる点で異なります。

そのため「医師が研究留学するときに研究室に送るPersonal Statement」はWeb上に全く見当たりませんでした。色々な情報を寄せ集め、自分なりに作成したのですが、当時の指導役からボコボコに修正を受けたのは今でもよく覚えています💦

ここでは自分が実際に作成し、指導役から修正を受けたPersonal Statementを匿名化・個人情報につながる部分をカットしたものを2セット公開し、簡単な解説も加えます。

一例目は留学先に提出したPersonal Statement、二例目はアメリカの奨学金獲得に成功したPersonal Statementが元になっています。

海凪
海凪

Personal Statementは海外で奨学金や研究費の申請を行う時も必須ですので是非参考にしていただき留学の実現及び成功に役立てていただければ幸いです!

Personal Statement作成時の大事な5つのポイント

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実例の前にまずは最低限これは必要!という5つのポイントを解説します。

1. Personal Statementは時間をかける

CV(履歴書)は基本的には型にはめて事実を記載するしかありません。

なるべく時間をかけず、しかし間違いのないようにしっかり作成しましょう。見やすさも大事ですので、ネットに落ちている雛形から自分が見やすいと感じたものをダウンロードして使うことをお勧めします。海凪も「医師が研究留学をするためのCV作成方法」という記事で解説していますのでこちらも参考にしてみてください。

一方でCVと違ってPersonal statementは自身の「得意分野・できること・研究に対する意欲・これまでに達成したこと」を「いかに魅力的に英作文するか」が重要なので時間をかけた方がいいです。

海凪
海凪

CVよりもPersonal statementに時間と労力を振るのが正解です!

2. Personal Statementは応募先(各研究室)に合わせて調整する

自身の留学先が一つに決まっていて形式上必要な場合は当然一つ作成すればOKですが、複数候補がある場合はそれぞれにCVとPersonal Statementを送付することになります。

この時注意しなければいけないのがPersonal Statementを研究室に合わせて調整することです。

CVは基本的には事実をありのままに記載するだけですので、研究先から特定の形式を求められるケースを除いては同じものを送付すれば大丈夫です。

しかしPersonal Statementは違います。「これからやりたいこと」が文章の重要な部分になりますので、その研究室で扱っている題材・使用可能な施設/実験器具/実験動物に「これから」は大きく依存します。また得意分野や実績のどの部分を特に強調するかも研究先によって違います。

候補研究室のこれまでの研究内容や実績を把握し、それに従ってPersonal Statementを調整することがとても大切です。

3. Personal Statementは必ず第三者の意見を反映させる

使い慣れている日本語の文章ですら人の目を通さないと独りよがりな内容になったり語順・文・文章の構成が読みにくくなったりしがちです。

後述する英文校正の前に上司・同僚・家族など、文章の内容について必ず他の人の目を通して修正をしてください。海外での経験がある方に見ていただくのが理想ですが、例え経験がない人でも客観的にみてもらうだけでも大分違います。

4. Personal Statementは英語補助ツール・AIツールを活用する

英語が大得意!…という人はこの項目は必須ではありませんが、ここを読んでいる人の大部分は英文ライティングに自信はないはずです。

近年は特にAIを利用した英文作成/補助ツールが盛んになっており、無料で使えるものも多いので利用しない手はありません。特にChatGPT・Kickresume・DeepL・Grammarly・QuillBotなどはPersonal Statementの作成に多大なる効果を発揮するはずです。以下の記事群でより詳しく解説していますので是非参考にしてください。

5. Personal Statementは必ずネイティブ/校正サービスのチェックを受ける

箇条書きが多いCVと違いPersonal Statementは全て文章で構成されています。

CVであれば少々の文法ミスはごまかせてもPersonal Statementでは単純なミスはもちろんのこと論理構成や文章のつなぎ、語彙の選択まで多くの要素が目につくことになります。

必ずしも流暢さ・美辞麗句が必要なわけではありません(やりすぎるとむしろマイナス?)が、あまりに幼い文章だと実力も疑われてしまいかねません。

通常Personal Statementは半ページ〜2ページ程度と文章量は多くないため、英文校正に出してもさほどコストはかかりません。重要なところですのでぜひコストをケチらずに英文校正サービスを利用しましょう!

英文校正サービスについては以下の記事で解説しています↓

一例目:通常のPersonal Statement(用紙1枚分)

ダウンロード(Word)はこちらから

1段落目:全体の要約として全ての要素を入れて簡潔に記載

1段落目は導入部分であると同時にいわゆるPREP法のように最初の段落で全体の要旨がわかるように記載します。上記の実例は2段落目のつなぎも考えているので結論よりも導入の色合いが強めですが、完全に1段落でアブストラクトのようにまとめる書き方でも問題ないと思います。

参考:PREP法

Point: 要点(結論・主張)
Reason: 理由
Example: 具体例
Point: 要点(結論・主張)

2段落目:自己業績アピール

2段落目が言いたいことの詳細になります。

  1. 今までにやってきたことの動機
  2. 実際の業績や獲得スキル
  3. その結果として得られた次の目標と動機
  4. そのためには次は何が必要なのか(3段落目への導入)

という順番で記載しました。

3段落目:提出先の研究室になぜ行きたいのかを説明・アピール

1〜2段落目は研究先によってそこまで大幅に変える必要はありませんが、この3段落目は違います。この部分は自分の今までとこれから(=研究留学先でやりたいこと・貢献できること)を結びつける段落です。海凪の実例は研究先に直接あてたものではなく仲介先に送ったものなのでこの部分がかなりふわっとしていますが、直接研究先に送るのであれば必ずPIの実名具体的な業績・研究設備などに触れる必要があります。

海凪が指導者から受けたアドバイス

最後にこのPersonal Statementを書くにあたり指導者からいただいたコメントを列挙します。
内容的には上記の繰り返しに近いです。

指導者から受けた主なアドバイス
  • 内容が薄い
  • その研究室に特化したやりたいことを記載する
  • 自分の実績がある分野とその研究室の分野の関連を記載する
  • 当該研究室にどのような貢献ができるかを具体的に記載する
海凪
海凪

今見ても若干しんどいですがこのような意見は貴重でありがたいことです笑

二例目:NIHのBiosketch内のPersonal Statement(短縮&Grant申請)

ダウンロード(Word)はこちらから

このPersonal Statementは研究先で若手研究者を対象としたグラント/フェローシップを申請した際に作成したNIH準拠のBiosketchを修正したものです。このPersonal Statementで競争的資金を獲得できました。

スペースが限られていたので文章量は少なめ競争的資金獲得のための言い回しが使われています。
またこの資金が「いかに将来的にも貢献し得るか」という視点でもアピールしています。

1段落目:申請者の過去(実績)・現在(スキル)・未来(将来性)

まずは自己紹介です。

この獲得資金の申請先は「実臨床に関わる学会」であったので、提出する研究計画は基礎研究でしたが自身の実績については臨床のものも含めて記載しました。そしてその臨床の経験が実際の研究につながっている点をアピールすることでMD-PhDの希少性(あくまでアメリカでは、ですが)と有用性を示しました。

また留学の経緯も動機づけの根拠としてのアピールポイントに転化させています。

国際間の架け橋になり得るという点は他の研究者との差別化につながったと考えています。

2段落目:研究の実行可能性と将来性をアピールする

1段落目をもとにして「この実績とスキルがあるのでこの研究は実行可能である」ということと「研究が遂行されるとこんなメリットがある」ということを示します。

この2段落目が資金を提供する側の知りたいことです。ただそれには相応の根拠が必要ですので結果的に1段落目がより長くなりました。

2例目は2段落構成でした。1例目のように3段落にして最初の段落に要旨を持ってきてもよかったかもしれませんが、この形式はスペースがある程度限られていた事情もありこの構成になりました。

まとめ:Personal Statementは時間をかけて作成しましょう!

結論としてCVよりも「Personal statementに時間と労力を振る」のが正解です。

Personal statementは研究先にこの人物と働くと良いことがあるということを納得させるため自分自身の特徴や意志をよりわかりやすく伝えるため文章術や英作文が重要になってきます。時間をかけて作成するだけでなく他者のレビューと英文校正も必須であると考えてください。

ここに2つの例を掲示しましたが、これはあくまで海凪の例です。
語彙や言い回し、文章の順番などは大いに参考にしていただければ幸いですが、内容については自身と向き合うこと、また自身をよく知る方のフィードバック・ブラッシュアップがはるかに重要です。

一方のCV(履歴書)は基本的には型にはめて事実を記載するしかありません。なるべく時間をかけず、しかし間違いのないようにしっかり作成しましょう。見やすさも大事ですので、ネットに落ちている雛形から自分が見やすいと感じたものダウンロードして使うことをお勧めします。

もしご質問・コメントがありましたらお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました!!!

CVの作成方法についてはこちらからどうぞ↓

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