アメリカ研究留学を目指している医師・生命科学研究者が何か一つ英語の試験資格を勉強するとするなら、それは間違いなくTOEFL-iBTです (TOEFL-ITPとは全然違うので注意!!!)。
理由は以下の4つです。
- アメリカの大学で広く受け入れられている(稀に条件として要求されることもある)
- 日本国内の各地で受験が可能
- 研究生活や大学生活で日常的に必要な英語テクニックの習得に最適
- 奨学金の応募条件に目安の点数が設定されていることがある(必須であることはほぼない)
IELTSも同じくらい有力で有用なのですが基本的にイギリス系英語ですのでイギリス・オーストラリア・インドなどに留学する場合はIELTSがよりおすすめです。
仮に点数が留学に必要でなくても、モチベーションの維持と研究生活を円滑に進めるための英語学習ツールとしてもかなり有用です。そのことについてもいずれ別項でご説明できたらと思いますが、ここではTOFLE-iBTを学習、特に独学する人にとって有用なテキストを5つ紹介したいと思います。
1. The Official Guide to the TOEFL iBT Test
1冊目はなんの変哲もないオフィシャルガイドです。
これが必要な理由は
- どんなテストかを知ることができる
- 実際の質問文に慣れることができる
- たくさんの例文・問題例に触れることができる
- 1-3を全て公式(実際にテストで使用される文章)の英語でたくさん触れることができる
からです。
日本語版ではなく英語版を買うことが大事です。
もしこの本の英語を読むことすら辛い場合は、いきなりTOEFLの勉強をするのではなく一般的な英語の勉強をするところから考えていただいた方がいいかもしれません。
ご不安な方はぜひ書店で立ち読みをしてください。
英文は平易なので、意外と読みやすく感じるはずです。
2. スコア80突破ゼミ TOEFL iBT(R)テスト アウトプット強化編 スコア80突破ゼミシリーズ
個人的にはこれが一番おススメです。
日本人に一般的に当てはまることですが、アウトプット、すなわちスピーキングとライティングが壁になることが多いです。日本に住んでいるとアウトプットの機会が限られていることもさることながら、回答を採点してくれたり講評してくれたりする機会はさらに限られている、ということがネックになり勉強しても点数を向上させることが困難です。
もし英語論文を書き慣れている方であればまだライティングは大丈夫かもしれません。しかし長い文章が必要な論文と数百語程度の短い文章では求められているものや注意点が違いますし、最近はDeepLや英文校正サービスも広がってきていることもあり論文自体は書き慣れていてもTOEFL形式のライティングが得意という人は限られるのではないでしょうか。
そしてスピーキングは輪をかけて厄介です。特に独学となると、スピーキングの勉強の仕方も解答がどのくらい正答に近いのか、どうやって改善すれば良いのかなど分からないため、いつまでたったも苦手意識が取れず、勉強もおろそかになってしまう…そうなるとなかなか全体の1/4を占めるスピーキングの点数が向上せず…。
そうならないためにはぜひこの本を手に取ってみてください。
まるで霧が晴れたように勉強の道筋が見えると思います!
もちろん自分の回答が正解かどうか、というのは本ですから答えてくれません。
しかし「正解かどうか」を気にする必要があまりないことがこの本で勉強するとわかると思います。
もう一度言いますがこの本が一番おススメです。
3. english x english
これもなかなか他にはない英語学習本です。
これはある程度頻回に使われる基本的な単語を同様によく使われる、しかし難しくない単語と文章で説明される例文がたくさん載っています。
…という説明では分かりにくいと思います。
要するに、
- 簡易的な英英辞典のような形の例文から英単語を類推する
- もしくは反対に出された英単語を簡単な英語で説明する
ということを繰り返し行うことで英語を使うことに馴染むための本です。
とてもとっつきやすい内容でありながらとても実践的な英語が学べるため、独学にはうってつけのテキストです。
解説は少ないのが難点と言えるかもしれませんが、むしろ解説も必要のない難易度で英語を英語のまま理解・アウトプットする練習になると思います。
4. TOEFL必修フレーズ100
スピーキングやライティングといったアウトプットは解答に無限のバリエーションがあるように感じてしまいますが、実は答え方には一定の型があり、その型に則ってしまう方がうまく回答できますし点数も取りやすいです。
つまり頻繁に使用するフレーズを習得しておけば、あとはそのフレーズを前後の文章につなげたり単語を入れ替えることで比較的あまり頭を使わずに問いに沿った回答を返すことができます。
この「あまり頭を使わずに」というのが大事なポイントです。
というのもTOEFL-iBTのアウトプットテスト中には多くの場合「問題文を読む」「会話や講義を聴く」「必要な情報を覚える」「それらのインプットされた情報を自分なりに理解する」「問題文に沿った回答内容を考える」「考えた内容を基に実際の回答に使用する単語、文章、構成を考える」「それを実際に口に出すorタイピングする」とたくさんの頭を使う作業をほぼ同時並行でこなす必要があります。
その際にありとあらゆる構文を使う必要はありません。
お決まりの「得意パターン」を作っておくことでその部分に使用する頭のリソースを大幅に省略でき、その分を他の作用に割り当てることができます。
…前置きが長くなりましたがこの100のフレーズを手と口に馴染ませておけば点数アップにかなり貢献してくれるはずです。
MP-3のCDがついてますので、自分のスマホに入れて聞き流し&シャドーイングをするだけでまずは十分です。口をついて出てくるようになればライティングにも必ずいい効果がありますよ♪
5. TOEFLテストボキャブラリー+例文3900
基本的にTOEFLに出てくる専門用語をあらかじめ覚えておく必要はありません。
なぜかといえばそれらの専門用語を幅広い分野で全て覚えている人は実質いませんし、そもそも必要な知識や技術、その使い方を学ぶために行くのが大学・大学院・留学ですので、テストをする側が重要視していることは「専門用語を一般的な言葉で説明されたときに学習・理解する」ことと「理解・学習した専門用語を自分の言葉で説明する」ことになります。
…しかしながら専門用語を抜きにしても使われる語彙はTOEICのそれとは大きく異なります。
より学術的な記載、もしくはキャンパスライフに使われる語彙とその頻度は品詞を問わず異なります。
というわけでTOEFLの単語帳は一つは持っておいた方がいいでしょう。
全てをマスターする必要はありませんが、目標点数別(60点・80点・100点)+キャンパスライフ編に分かれていますので、必要に応じて学習範囲を広げると良いと思います。
まとめ:TOEFL-iBTのテキストは選択肢が少ない…
少しTOEFL-iBTについて調べていただくとわかるのですが
- 受験者数はTOEICやTOEFL-ITPに比べると圧倒的に少ない
- 1回ごとの受験料が比較的高価
- テキストや問題集の数が少なく高価になりがち
という勉強しにくい状況があります。
とはいえ、TOEICなど他の資格試験向けテキストで勉強するのは効率が悪いです。TOEFLで出題される英文・会話文は基本的にアカデミックな内容かもしくは実際の大学生活に密着した内容がほとんどです。TOEICや英検のテキストを勉強するのは出題内容が大きく異なりますのでおすすめできません。
是非この記事を参考にしてご購入を検討していただければ幸いです。
また、テキスト以外の勉強法は下記の記事にしています。
あわせてお読みいただければ幸いです!
>> 英語が話せなくても大丈夫?医師が研究留学生活を楽しむための英語力を徹底解説
>> 英語力を補う!研究留学のための英語補助ツール7選+α
>> 医師の基礎研究留学に英語の勉強が必須である3つの理由
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