海外に留学する医師に帯同する配偶者(妻)が知っておきたい9つのこと【アメリカの実例で解説】

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同居家族(パートナー・こども)がいる医師が研究留学/臨床留学する場合、家族が帯同することがほとんどです。留学する側は自ら選択して努力した結果なので嬉々としていますが、その配偶者(妻)は留学に肯定的とは限りません。しかも留学話はしばしば突然降って湧いてくるため配偶者は不十分な準備期間で新しい環境での生活や子育て、異なる文化や言語に直面することになります。

そこで3年間アメリカに留学していた海凪自身や妻の体験、また同じ時を過ごした同じ大学の留学仲間、以前からの知り合いの留学話などから実例を交えつつ医師に帯同する妻が留学前・留学中に知っておきたいことを9つに分類して解説します。

海凪
海凪

帯同する方も帯同をお願いする方も円満な留学夫婦生活のために必読の情報です!

本記事にはしばしば留学する側=男性、配偶者/子育てのメイン=女性を念頭にした記載がありますが、ジェンダーロールを規定する意図はありません。実際女性医師数は年々増加傾向(2020年で22.8%:厚生労働省調査)とはいえ、留学するとなるとまだまだ圧倒的に男性が多いです。海凪及び妻の直接知る範囲でも臨床留学/研究留学した男性は数十人は下らない一方で女性医師主体の留学は片手で数えられるほどしかいません。

1. 留学先での言語習得について

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留学先の言語については誰もが一定程度避けては通れない問題です。

配偶者(夫)があなたに留学希望・準備過程・見通しをことあるごとに伝えているようであれば少しずつ準備を進めていくことができますが、必ずしもその割合は高くありません。

なぜなら多くの場合留学は突然決まる(ように妻側からは見える)からです。夫が過程を逐一話していない場合もそうですし、そもそも留学話自体が教授などの上司から突然降りてくることもよくあります。

留学する夫側は前もって(あるいは仕事の必要性から)英語を勉強していることもしばしばですが妻側はそうではありません。決まってから「どうしよう…」と考える場合がほとんどであると思います。

留学先が英語圏の場合

留学に帯同する側が使用するのは多くの場合ビジネス・アカデミックの会話ではなく日常会話です。そのため夫が行なっている英語学習をそのまま真似するのはお勧めできません。

例えば日本で普及している英語試験のTOEICはビジネス英語TOEFLはアカデミック英語です。日常会話も多少は出てきますが、単語や題材は多くはそれぞれの関連分野に準拠するため効率はあまり良くありません。教材を選ぶときは「日常英会話」「生活に必要な英会話」に絞りましょう。

ただし、もし現地で集学や就業するつもりがあるのであればその分野に近い題材を選ぶ必要があります。就学や大学での研究助手やポスドクの職を得るつもりであればTOEFLがお勧めです。一方で大学/研究施設以外での就職であればTOEIC(できればスピーキング・ライティング)がベターです。

目的別学習教材
  • 就学やアカデミアへの就職:TOEFL-iBT関連の教材
  • 一般的な就職:TOEICスピーキング・ライティング関連の教材
  • 就学/就職しない:日常英会話関連の教材

留学後の経済状況を踏まえてお金をかけたくない=英語の勉強を無料でしたい方は以下の記事でご紹介しています。

英語なんてそんなに勉強したくない!という方、今はAIを活用した質の高い言語補助ツールがたくさんあります。特にポケトーク、DeepL、ChatGPTなどは簡単な操作で質の高い翻訳や英文生成が可能になります。ぜひ参考にしてみてください。

留学先が非英語圏の場合

英語圏(アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア)以外の国やカナダの一部地域(フランス語)では英語だけでは不便な場合が多々あります。特に実際の生活に根ざした場面では英語があまり役に立たないことも少なくありません。第二言語として英語を扱っていたとしても第一言語はその国独自のものなので学習コストは2倍以上です。

その場合はポケトークなど自動翻訳に頼るのも良い方法です。そのまま留学先で定着して永住するつもりなら話は別です。しかし多くの場合一定期間で帰国するわけですから帰国後使用する機会がほぼない第二言語まで一生懸命学習するのは効率が悪すぎます。近年は言語のサポートをするAIの発達は凄まじいものがありますので、そういったツールをうまく活用していきましょう。

言語に関するサポートツールを記事「英語力を補う!研究留学のための英語補助ツール7選+α」で紹介しています。ポケトーク・DeepL・ChatGPTなどは英語に限らず多言語に対応していますので帯同する配偶者にとっても十分有用なツールとなっています。是非参考にしていただければ幸いです。

2. 配偶者が留学先でのコミュニティを作るための方法と活動例

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留学先での社交生活も大切なポイントです。就労をするにしてもしないにしても、子育てがあってもなくてもコミュニティーを確保しておくことは海外留学生活を充実させるために重要です。

よく見られるコミュニティの種類
  • 日本人コミュニティ
  • 職場コミュニティ
  • 女性コミュニティ
  • 留学者コミュニティ
  • 習い事(本人・こども)コミュニティ

日本人コミュニティ

まずは日本人コミュニティです。たとえ田舎や日本人が少ないと思われる地域であっても医師が留学する施設がある場所ではほぼ確実に日本人コミュニティが存在しますので必ず繋がりを持ちましょう。

やはり自分の慣れ親しんだ言語で、共通の文化や価値観を持った方達と交流したり情報を得たりするのはそうでない方達との交流とは癒され度合いも役立ち度合いも段違いです。

お子様が小学校以上であれば日本人学校(補修校含む)も大事な日本人コミュニティの入口です。この場合他職種の方とお子様を通して関われますので普段とはまた違った人脈を作ることができます。

現地のコミュニティ

せっかくの留学生活ですから元気がある方は現地のコミュニティにも所属することをお勧めします。海外生活ならではの体験がたくさんできるでしょう。もちろん就労ができればそれも1つのコミュニティではありますが、欧米は日本に比較すると職場の人間関係はドライであることが多いのでそれ以外にコミュニティを作っておいたほうが留学帯同生活が充実する傾向にあると思います。

こどもや自身の参加する習い事のコミュニティもきっかけ作りとしては良い方法です。

海外生活ならではのものとして、移民や留学が多いアメリカやヨーロッパでは移民/留学者のための無料英語教室女性コミュニティも珍しくありません。うちの妻は両方とも参加しており独自の人脈を築いていました。

海凪
海凪

正直私自身より妻の方がたくさんの友人や人脈を作っていました…。

3. 配偶者が知っておくべき子育ての情報

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子育ての情報も留学する側(男性)は配慮が足りなかったり動き出しが遅かったりしがちです。残念ながら配偶者側が先手を打って促すもしくは行動していかなければなりません。留学期間中に就学前のお子様がいればデイケア・プレスクール、就学年齢のお子様出あれば学校の情報収集が事前に必要です。

A. 就学前のお子様がいる場合

日本と違いアメリカは自身で各デイケア/プレスクールの情報を探し、各自で申し込む必要があります。人気のある施設では長い順番待ちのリストが発生する(長いと数カ月〜1年待ちのところも!)ので動き出しは早ければ早いほど良いです。

デイケアもプレスクールも田舎でも月10万円前後、都会では月20~30万円と非常に高額です。収入が少ない場合は減免措置を設けている場合もあるのでこちらもしっかり情報収集しましょう。また見落としがちなのは「プレスクールには長い夏休みがある」ことです。表面上同じ料金でもサマースクールに通わせるとその分の料金もかかりますのでしっかり考える必要があります。

デイケアとプレスクールの違いに関しては以下の記事で詳しく解説しています。

一方で最大1.5〜2倍にもなるデイケア間での価格差も無視できません。その値段の違いには様々な理由があります。高いデイケアと安いデイケアの違いについて以下の記事で解説しています。

0~2歳のお子様がいる場合は事故予防も大切です。しかし一般に賃貸住宅が子育ての安全に配慮されている可能性はほとんどありません。日本と同様に安全子育てグッズは就学前のお子様がいらっしゃる場合必須であると考えています。以下の記事で海凪が実際にアメリカで購入して役に立った子育て安全グッズをご紹介しています。

B. 小学生〜中学生のお子様がいる場合

特にアメリカの小学校は学区制ですので自宅を決める際にしっかりと情報収集しておく必要があります。もちろん一般的に治安が良い場所を選んでおけば大外れはしないのですが、学校までの距離、スクールバスの時間、同級生に日本人がいるかどうかなど気にする場合には事前に地元/日本人のネットワークを活用したしっかりしたチェックが必要です。

また日本の「部活動」にあたるものは存在しないので、教育の観点からはなるべく習い事やスポーツクラブに所属することが勧められます。ボランティア・格安のものも多いですので日本人コミュニティなどを活用しつつ情報収集しましょう。

C. 障害を持つお子様がいらっしゃる場合

また障害を持つお子様がいらっしゃる場合は特別に情報収拾が必要です。一般に欧米では障害者に関する福祉は日本よりも充実しています。ただし適切な福祉を得るためには情報の収集が不可欠です。PIや研究施設の人事部、各コミュニティなどを活用して情報を得ましょう。

障害福祉は日本と異なり所得制限がないことがほとんどです。まあ仮にあったとしてもアテンディングやPIにならなければ制限に引っかかるほどの収入は得られませんが…。

D. こどもの言語習得について

留学に行く親御さんの関心事の一つはこどもの言語学習・習得でしょう。一方で日本語学習も維持/発展させていかなければならず、この板挟みに悩む親御さんは少なくありません。

現地の言語獲得に関してはデイケア・学校に行かせれば親より早く習得していきます。ただ補助として自宅で読み書きや英語に触れる機会は保つ方がより効率は良いです。

それぞれの年齢や性格に合わせたサポートが必要でありここで詳しく解説するにはあまりに大きなテーマですので深入りはしませんが、個人的にはデイケア/プレスクールに通う年齢の場合、勝手にどんどん吸収していきますのであまりここにお金や労力を割く必要はないのかな、と感じました。

E. こどもの食事に関して

海外生活は食事が偏りがちです。特にアメリカは保育園ですらどんどんファーストフードや糖質たっぷりのおやつがでてきます。そして出来合いのものは日本に比べて質が低く、使われている食材は限定され、価格は高いです。今の時代田舎であっても日本の食材が手に入らないことはありませんがやはり国内の相場よりも割高です。外食も明らかに割高でかつ栄養バランスを保つのが困難です。

上記事情から子どもの食育を考えるのであれば必然的に自炊に頼る割合を高くせざるを得ませんが、慣れない食材/商品の取り扱いには一定の工夫が必要です。また水道もアメリカ・ヨーロッパは硬水が多く料理には向きません。古い水道管であればこどもの鉛中毒のリスクもあります。以下の記事で自炊に役立つアメリカの調理家電を紹介しています。

海凪
海凪

我が家の息子は舌が完全にアメリカナイズされてしまいました…。

F. もし夫が留学先を迷っていたら

もし夫の留学先に選択肢がありどこに行くかを迷っていたら、子育ての視点のアドバイスをしてあげるといいかもしれません。一般に魅力がないように見える田舎の留学は子育ての観点で見ると大きなアドバンテージがあります。下記記事をご興味あればご覧ください。

G. 帰国後のプランを考える

そして留学者本人(夫)が最も見落としがちで重要なのがこの点かもしれません。

子供が帰国すれば日本の保育園・幼稚園・学校に所属することになります。その際保育園や幼稚園は事前の応募や面談が必要だったり、途中編入が困難であったりします。学校も公立であれば入ることは問題ありませんが私立を考えているのであればやはり事前の下調べや打診が必要です。また編入試験のためにあらかじめ子どもに勉強させておかなければならないかもしれません。

場合によっては留学者本人よりも先に帰国する必要があるかもしれません。こういった子どもの帰国後のプランもおもな養育者が先導していく必要があるでしょう。

4. 配偶者が留学先での生活費をコントロールするには

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海凪
海凪

皆様のご家庭は家計をどのように管理しているでしょうか?

医師は日本国民の中央値より高給であり、多忙です。片働きの場合配偶者任せと言うご家庭も多いのではないでしょうか。家計を管理している方がしっかりしている場合は良いですが、そうでない場合はまずそこから見直すようにしましょう。

共働きの場合(特に医師同士)は別の意味で問題です。二人合わせると十分な収入がありますので、管理はお互い自分のことだけ把握して相手のことは全く知らない、とか、相手が貯金していると思っていた、など問題を抱えている場合があります。普段であればそこまで影響はないのですが、収入が激減&支出が増える留学生活では同じ感覚でいると痛い目をみるでしょう。

まずはお互いの共通認識として「いくらどのような財産があるか」「収入や支出は留学によってどのような変化をするか」をしっかり把握しておくことが必要です。

海凪の家族4人(夫・妻・未就学児2人)がアメリカの田舎でポスドクとして生活した場合の家計は以下でご紹介しています。

その上で身の丈にあった生活レベルを選択することと、無理のない範囲で節約することが大切です。アメリカ生活の節約方法については以下記事で解説していますので参考にしたいただければ幸いです。

海凪
海凪

把握しやすいように銀行口座やクレジットカードをあらかじめ整理しておくのも大切です!

また生活のトラブルに見舞われると時間やお金を奪われてしまいます。事前にトラブルを防いだり、起きてしまったときに最小限のダメージでコントロールして余計な出費を防ぐ必要があります。

そのためには事前によくあるトラブルの内容を知っておくことはとても重要です。記事「アメリカ留学中に経験した生活トラブル9選」にて海凪が経験した生活のトラブルについて共有しています。アメリカだけでなく海外であればこの手のトラブルはよくあることと思いますので一読されることをお勧めします。

5. 男性は忘れがちな日本から持ち込むべき品とその方法

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海凪も恥ずかしながらそうですが、医師×非医師の家庭でも医師×医師の家庭でも子育てや家事の主体が女性側になることがまだまだ多いと感じています。そうなると男性側は普段必要としている生活用品や子育てに関する荷物を少なく見積もったり大事なものを忘れてしまいがちです。

帯同する配偶者の側が何らかの形でサポートする形が望ましいdせよう。

またこどもは成長します。特に小さいお子様をお持ちの場合には次のシーズンには着られなくなる服・履けなくなる靴があることも考えて荷物を選ばなくてはなりません。

近年は世界的にインフレが目立っており、荷物を送るコストも跳ね上がっております。一般的に先進国と呼ばれる国に留学されるのであれば現地で購入した方が安くつくものも多いです。あまり欲張りすぎずコストパフォーマンスも考慮しましょう。

忘れがちな持ち物リスト
  • 携行離乳食やミルク
  • 子どもの食器(哺乳瓶やストローマグ)
  • サランラップ/調理関連小物
  • 日本の100円ショップで購入できる小物類

品物を送る点で注意すべきポイントもいくつかあります。

  1. 食品は各国の規制があり原材料として使われていてもアウト
  2. 船便は安い分数か月かかることも珍しくない
  3. 航空便は高価な分早いがそれでも遅延やロストは考慮に入れる必要がある
海凪
海凪

高価なものや無くすと取り戻せないものは必ず出国時に携行しましょう!

6. 配偶者が留学先で働くために必要なビザと就労許可の手続き方法

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帯同する前に把握すべきなものの1つはこれです。

ビザに関しては各国でビザの種類(呼称)や制度が全く異なりますのでアメリカ以外の国については個別に調べていただく必要があります。しかし共通の注意点としてビザの種類によって就労など配偶者の活動に制限があるものとないものがあるということを把握しておかなければなりません。

以下はアメリカの実例です。

配偶者のビザがJ-2の場合(留学者がJ-1ビザの場合)

多くのアメリカへの留学(ポスドクの研究留学やレジデントからの臨床留学)はJ-1ビザです。この場合配偶者はJ-2ビザを取得することになります。

J-2ビザは就労が可能ですが、申請と許可が事前に必要です。EAD(Employment Authorization Document:労働許可証)を取得することで就労が可能となります。USCISという機関に申請します。

少し前の記事ですが参考になるサイトがありましたのでリンクを貼っておきます。

配偶者のビザがF-2ビザの場合(留学がF-1ビザの場合)

MPH(Master of Public Health)留学の場合、留学者がF-1ビザ、配偶者はF-2ビザを取得します。このビザは就労は不可能就学もfull-timeは不可能となかなか制約が多いです。

配偶者のビザがH-4ビザの場合(留学がH-1Bビザの場合)

臨床留学でレジデンシーからのスタートではない場合に取得する可能性のあるH-1Bビザの場合、配偶者はH-4ビザを取得することになるのですが、このH-4ビザは就労ができません。

知り合いでこの問題に直面した家族がいました。夫がアメリカでH-1Bビザで就労する時、妻が自身のキャリアを考えて同行するのを迷いました。その夫は「留学先で働くなりリモートワークなりすればいいんじゃない?」と言われたので妻が留学に同行したところ、渡米後にこのビザでは就労ができないと知ったと言うことです。彼女には日本に残って子育てしつつ働く考えもあったという事なので、それが分かったときは残念な気持ちになったに違いありません。

聞かれた方も聞いた方もそのタイミングで「その情報は本当か?」は調べるべきだとは思いますが、先にこの概念を知っていればそのようなトラブルは避けられたに違いありません。

必ず各国大使館など公式の情報源で確認を!

繰り返しになりますが各国でビザの呼称、ビザの仕組みは大きく異なります。現地で何らかの就学をお考えのかた、また現地でなくてもオンラインで収入を得ようとお考えの方は必ずご自身が取得することになるビザの種類と就労の可否についてお調べください。その際はブログなどではなく大使館の公式サイトの情報もしくは公式サイト経由でのお問い合せでご確認ください。

7. 配偶者が留学帯同の経験を自分のキャリアに活かすには

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帯同する妻が留学生活をキャリアに活かす方法は以下の4つが考えられます。

留学に帯同する配偶者のキャリアにプラスになる活動
  • 就労
  • 大学院や公衆衛生大学に入学してPhDやMPHを取得する
  • 英語学校に入学して英語を上達させる
  • コミュニティに積極的に参加する

参考リンク:
https://internationaloffice.berkeley.edu/families/j-2_FAQs
https://iss.ku.edu/j-2-dependents

就労

自身のキャリアにマッチした就労ができればそれがベストですが、それには様々な条件が必要でありなかなか容易なことではありません。次善の案は多少キャリアに重ならない仕事であっても就労することです。

知り合いで、夫が研究留学している研究室からResearch assistantで働かないか、と打診されて断った方がいました。その方は自身の希望や条件面で折り合わなかったとのことですが、その後もなかなか就労できていませんでした。個人的には少しもったいないことだと思いました。Research assistantであれば給料は確かに高くはないかもしれませんが福利厚生(医療保険など)は得られますし、研究に必要な技術や実験器具や試薬のマネージメント、大学での研究の仕組みや研究に必要な英語や考え方など様々に得るものがあったはずです。

雇用側からすると留学の帯同と聞くと継続的な雇用が期待できませんし、その上言語や人種の壁があると責任ある仕事とは縁が遠くなってしまいます。

ぜひ有難い話があった時には多少折り合いが合わなくとも条件面など交渉をトライしたり、断らずやってみることをお勧めしたいです。合わなければ辞めれば良いだけですからね。

PhDやMPHの取得

これはかなりハードルが高い話ですので希望される方はかなり前から事前に準備をする必要があります。J-2ビザでも大丈夫ということですがご自身で入学されるのであればF-1ビザの取得も可能です。

海凪自身の経験はありませんし情報も詳しくはありませんのでここでは深入りせず選択肢を挙げるだけにとどめておきます。

英語学校(Community Collegeなど)に入学

英語の習得はキャリアにプラスにる場面は多々あってもマイナスにはなりません。

英語学校はJ-2ビザで全く問題ありませんし、入学も競争率以外のハードルはありません。無料のコースもありますがその分希望者が多く順番待ちであったり募集時を逃すと入学できなかったりします。

またローカルの政府やコミュニティが英語教室を開催していることもよくあります。その場合無料や非常に低価格で提供されていますのでお金を節約しつつ英語を学習できますのでオススメです。

コミュニティに参加してボランティア活動をする

どのビザでも可能な活動はボランティアです。社会活動をしているコミュニティは欧米にはたくさんありますので、その中で自身のキャリアと重なる分野に応募して参加することで様々な経験と言語習得の一挙両得が狙えます。

お子様がいない場合やフルタイムで全員預けられる、でも就職や就学はハードルが高い、という方にはオススメの方法です。感謝されることで海外生活で低下しがちな自己肯定感をキープ・高めることもできますしボランティアを通じて友人を作ることも可能でしょう。

現地の現地/日本人のコミュニティーに可能な範囲で積極的に参加するだけでも結果的にキャリアにつながるかもしれません。現地のコミュニティーに入ることで語学を学ぶことができますし、どちらのコミュニティーでも普段であれば得られない人脈が築かれますので、今後のキャリアに生かせる可能性が高まります。

8. 一人の時間も作って充実させましょう

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「せっかくの海外生活だから」と気合いを入れて色々手を伸ばしすぎると疲れてしまうかもしれません。癒しとなる日本人コミュニティでさえ疲れていると煩わしく感じることもあるでしょうし、子育てに忙殺されて余裕がなくなることもあるでしょう。

やはり人間は一人の時間も大事です。今は便利な時代ですので以下のようなサービスやコンテンツで自身の好きな時間も確保することをお勧めします。

ストレスを解消するための手段・サービス
  • 動画視聴サービス(Prime video・Netflix・Disney+・Huluなど)
  • 電子書籍(Kindle・楽天Koboなど)
  • Podcast
  • Zoom・Skype・Lineなどを利用した日本の友人や家族とのオンライン通話
  • オンラインコミュニティー

日本のエンタメを楽しむために必要なものを下記記事で解説しています。

9. 留学期間は変更されがちである

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そして最後に見落としがちな「留学の期間は予定通りとは限らない」という事実です。元々が不安定な立場&知らない世界への挑戦であることが多いですので当然といえば当然なのですが、帯同する立場としてこれを意識することは多くないかもしれません。

しかしその事実を考えていないと実際にそれが起こった時にショックを受けたり、次のプランを考えていなかったことで不利益があるかもしれません。特に期間が大きく影響を受けるのは妻が育休中の場合やお子様の保育園・幼稚園・小学校・中学校のプランに変更が生じる場合です。

そのためお子様がいらっしゃる方の場合は特に頭の片隅に置いておき、プランBをあらかじめ考えておく必要があるでしょう。

A. 所属する研究室や病院の事情/意向による変更

一番コントロールできないのがPI(研究室長)の「研究費が切れた」場合です。競争が激しく、また雇用者の多くを研究費に依存しているアメリカではPIの研究費が切れる=人員の削減・最悪の場合研究室をたたまなければならない、となります。

実例を複数知っています。多くの場合移籍先を見つけられて留学を継続していましたが当然見つからなければそこで留学生活はおしまいです。予定より早く帰国することになるでしょう。

また留学の場合そのほとんどは有期雇用ですので、口約束の合意が取れていたとしてもパフォーマンスなどの理由から延長が認められない場合も想定されます。その場合も想定より早く帰国せざるを得ません。

B. 医局の事情/意向による変更

留学前に医局に所属していた場合、医局の事情や意向も留学期間を左右します。例えば想定外に人がいなくなり帰国を要請される場合です。帰国後はまた医局にお世話になるつもりだった場合、予定より早く帰国するか、なんとか交渉して予定通りにしてもらうか、あるいは喧嘩別れして医局を離れて次の就職先を探すかの3択を迫られます。

あるいは教授交代や人事の関係で医局から「もう席はない」と言われてしまう可能性もゼロではありません。その場合も次の就職先を探す必要があり、その結果次第で帰国は早くも遅くもなるでしょう。

C. 留学者本人(夫)の意向による変更

実際にはこれが一番多いかもしれません。以下のような場合が考えられます。

  • 思ったよりも研究が面白くなってしまった
  • 予想外に良い結果が出て研究を続けたくなった
  • 追加で複数年の大型奨学金が取れた
  • 研究留学から臨床留学をしてみたくなった
  • お金がきつい/研究がつまらない/ボスと喧嘩したので早く帰りたい

様々な経緯があり多くは配偶者がコントロールできるものではありませんが、次のプランを考えるためにも留学者後本人と配偶者は連絡を密にする必要があります。「面白くないな」と思っていても研究の話も積極的に聞いてあげましょう。

D. 出資者(奨学金)の意向による変更

複数年の奨学金を持って留学した場合、何か規約違反があった場合には打ち切られる可能性があります。また奨学金の種類によっては1年毎に報告・評価をされその結果延長の有無が変わる場合がありますのでそういった場合留学期間が短くなったり長くなったりします。

まとめ:海外生活を経験するせっかくの機会、ぜひ楽しみましょう!

海外留学する医師に帯同する妻が知っておくべき9つのことについて、アメリカの実例を交えて解説しました。留学前にご紹介したような情報を妻の側でも事前にしっかり調べ、準備をしておくことが海外生活を充実するために大切です。

海凪
海凪

留学前にしっかりと準備をして素晴らしい留学帯同海外生活を送りましょう!

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